ゲームや体験型コンテンツなどで注目を集めるVR(仮想現実:Virtual Reality)は、2016年の「経験の年」を経て、17年には「実装の年」に入るといわれている。IDCによれば、AR/VR関連市場が20年には16年の20倍以上の規模に拡大するとされている。
ゲームや体験型コンテンツなどで注目を集めるVR(仮想現実:Virtual Reality)は、2016年の「経験の年」を経て、17年には「実装の年」に入るといわれている。IDCによれば、AR/VR関連市場が20年には16年の20倍以上の規模に拡大するとされている。特に小売業では伸びが顕著で、15年から20年の間、年間平均成長率238.7%で伸び、20年のビジネス市場では組立製造業を抜いてAR/VR支出がトップに立つと予測されている。
VR普及のカギを握る技術のひとつにソーシャルVRが挙げられる。SNSをVR空間上で実現するソーシャルVRは、フェイスブックも力を入れている技術だ。メンバーは自身の分身であるアバターによってVR空間上でコミュニケーションを取る、セルフィーを撮るといったアクションが可能となる。アバターをVR空間に置くことで、ユーザーはより高い没入感が得られ、疑似体験の精度が上がる。フェイスブックは、自社傘下のVR大手、オキュラスVR用のアバター製品を提供しており、オキュラスVRプラットフォームではすでにソーシャルVRが実現されている。ただし、HTC ヴァイブやプレイステーションVRといったほかのプラットフォームではVRアバターの互換性がないことが課題となっていた。
こうしたなか、VRスタートアップのモーフ3Dは、プラットフォーム間でアバターを共通化できるサービスを開発。一般公開したデモ環境「準備室(Ready Room)」では、顔パーツの選択や着せ替えなどで作成したVRアバターの管理ができ、提携先のソーシャルVR企業2社のプラットフォームで使用可能とのこと。今後さらに提携プラットフォームを追加していく予定となっている。ユーザーはアバターを作る際に8割程度自分との共通点を入れるといわれており、プラットフォーム間で共通のVRアバターを持つことで、VR空間での体験がより現実と近いものになると考えられる。現在パーソナルな体験として認識されているVR空間が、ソーシャルなものになることで、コンテンツの幅やユーザー層もいっきに広がると考えられる。(編集担当:久保田雄城)