2016年はVR元年と騒がれた年でもあった。ソニー<6758>の「PlayStation VR(PSVR)」を皮切りに、各社からバーチャルリアリティー(VR)対応ゲームの専用端末が相次いで発売された。新たな展開が予想されるゲーム業界だが、ゲーム市場を見てみると、国内ではスマートフォンを軸にした、オンラインゲームがシェアを年々拡大。家庭用ゲーム機は減少が続いている。
オンラインゲームの普及は目覚ましいものがあるが、ゲーム業界関係者たちはその数歩先を見据えているようだ。今のオンラインゲームバブルがはじけた後、スマートフォンの普及が一段落した後の展開だ。その先には現状のゲームファンを奪い合う熾烈競争が展開されると見ている。
ゲームソフトメーカーがモバイルゲームなどオンラインゲームで収益を上げている時代。2016年がそうだったように、いまや家庭用とスマホゲームの境界線は崩れかけている。ゲーム機のプラットホーム・垣根を越えた現状は、今後、新しい形のコンテンツやサービスが生まれる大きなチャンスとも言える。ゲームソフト会社、スマートフォン会社は現状維持ではなく、過渡期を乗り越える力が求められるだろう。ゲーム業界には楽しさ・面白さを追求する能力・コンテンツがよりいっそう求められる。だがその先には、ゲーム業界の明るい未来が待っているはずだ。
2017年の展開としては、スマホ関連のモバイルゲームは安定成長、VRの普及は加速するだろう。新しい展開としては、業績低迷が続いていた任天堂<7974>が3月に次世代ゲーム機「NX」発売を予定。5年振りの新型ハード投入でゲームファンはどんな反応を示すか?PlayStation一人勝ちの状況にくさびを打ち込めるか。2017年のゲーム業界の新たな展開に注視してきたい。(編集担当:久保友宏)