健康意識が高まり、運動習慣を身につけることへのニーズが高まってきている。ヘルスケアサービスの課題は、自発的な行動変容を促すことにより、飽きられずに使い続けられることだ。こうしたなか、第一生命保険は顧客の健康寿命延伸やQOL向上を支援する「健康第一プロモート」の一環として、自発的に健康増進を促すスマートフォンアプリ「健康第一」を公開した。同アプリは、アクセンチュア、NTTデータ、日本マイクロソフトといった、テック企業との協業を通じてシステムを開発してきた。
健康増進アプリ「健康第一」では、スマートフォンやウエアラブル端末で毎日の歩数を記録し、個人の目標に対する達成状況を可視化できる。歩数実績に応じてためたスタンプで、ローソンで使えるコンビニクーポンが当たる抽選に毎週参加できるといった行動促進への仕組みが実装されている。また、ユニークな機能として「FaceAI」によって、自分の顔写真を使って10年後、20年後といった将来像を確認でき、肥満度の目安となるBMIの変化による影響を認識できる。
スマホアプリを活用した行動変容に関する取り組みに関しては、「あいち健康の森健康科学総合センター」でも実証実験が行われている。同実証実験では、IoTデバイスと機械学習を活用した糖尿病患者の生活習慣改善の支援に取り組んでいる。具体的には、医療機関での検査データと、ヘルスケア機器で測定する日々の健康データによる解析から、生活習慣完全に向けた行動の継続にとって適切なタイミングで、スマートフォンアプリなどを通じた介入を行うことで行動変容につなげる。
また、「健康第一」の機能「FaceAI」のように、スコアによる健康状態や取り組み状況の可視化を一歩推し進めたグラフィカルな可視化が開発されつつある。医療機関での検査データにヘルスケア機器で測定した現在の健康データから、体のどの部分が劣化しやすいか、太りやすいかが予測でき、それに基づいた将来像がグラフィカルに再現される。健康状態のグラフィカルな可視化により、現在の生活習慣の延長上に未来の自分があることへの気付きを促すことが可能となることから行動変容に対する高い効果が期待される。(編集担当:久保田雄城)