AIによる英会話学習はアプリからプロダクトへ

2017年03月28日 12:14

画.AIによる英会話学習はアフ_リからフ_ロタ_クトへ

博報堂は、襟に装着するタイプのマイクデバイスおよびスマホアプリで構成される英会話学習ツール「ELI」のプロトタイプを開発した

 博報堂は、襟に装着するタイプのマイクデバイスおよびスマホアプリで構成される英会話学習ツール「ELI」のプロトタイプを開発した。マイクデバイスにて普段の会話を収集・解析し、アプリにてユーザーの使用頻度の高いボキャブラリー領域での英会話レッスンを生成する。AI搭載の英会話アプリが活用され尽くされるなか、最近では、こうした装着型や設置型の英会話学習プロダクトが登場してきている。

 設置型のものでは、ソフトバンクコマース&サービスも米AKASTUDY製の英語学習用ロボット「Musio X」を、4月14日から販売する予定となっている。「Musio X」では、ロボットとコミュニケーションを取りながら英会話を学べるのが特徴で、専用スキャナーにて教材を読み取り、目的やレベルに応じた英語学習が可能とのこと。アルファベットや単語の発音を学べるフラッシュカードやクイズ形式のヒアリング学習、学研プラスと共同制作したテキストなど教材も豊富に用意されている。また、インターネットからデータを検索して、話しかけた内容に対して適切に応答。会話内容の蓄積により事前にプログラムされていない文章を生成していく「英会話機能」も搭載している。

 また、カシオが2月に発売した、スマホやパソコンと連携するタイプの英会話学習用デバイスでは、リビングや寝室、浴室に設置して基本文法や英単語の反復レッスンが可能。人が近づくと英語で挨拶したり、時刻や曜日を尋ねると英語で回答したりといった機能が搭載されている。スマホアプリと連携することで進捗が確認できたり、パソコンと連携することでコンテンツの追加が行えたりといった仕様となっている。

 活用領域やレベルに応じた英会話学習は、AI搭載のスマホアプリによってすでに実現されてきたが、学習の継続にはより自然な発話・リスニング環境が必要となる。このため意識してスマホを操作するといったアクションなしで、音声を拾い判断し、応答してくれるウェアラブルデバイスやロボットが開発されてきている。ホームオートメーションの機能も備えたデバイスが、語学学習の用途を兼ねる可能性はあるが、余計な機能を必要としないユーザーをターゲットとした市場はなくならないと考えられる。(編集担当:久保田雄城)