台湾の力成科技がテラプローブ株式の40%をTOBで取得へ

2017年04月28日 07:07

画・台湾の力成科技か_テラフ_ローフ_株式の40%をTOBて_取得へ

台湾の半導体関連会社、力成科技がテラプローブの約40%の株式をTOBで取得することを表明。(画像はイメージ)

台湾の半導体関連会社、力成科技(パワーテックテクノロジー)がテラプローブ<6627>の約40%の株式をTOBで取得することを表明。テラプローブの経営陣は、力成科技側のTOBに賛同を表明しておりTOBは成立が見込まれている。

 テラプローブは2012年に経営破綻したエルピーダメモリの持ち分法適用会社であった、半導体製造における後工程の集積回路テスト会社。エルピーダが保有のテラプローブ株式については、その後エルピーダの買収を行った米・半導体メモリー大手のマイクロン・テクノロジが現在は保有。今回の力成科技によるTOBは、マイクロン・テクノロジが保有のテラプローブ株の取得を目的として行われるものである。

 力成科技は売上規模において世界で上位5社に位置する、半導体製造後工程の受託企業であり、グループ全体で約12,000人の従業員を誇る巨大企業である。

 今回のTOBの期間は4月17日から5月29日までで、TOB価格は1株1,100円。尚、TOB後もテラプローブの東証マザーズ市場への上場は維持される見込み。

 世界の半導体業界は合従連衡が進んでいる。特に中国系企業が資本力を活かした出資や買収に積極的。テラプローブにTOBを行う力成科技に対しても、中国の国有半導体大手の紫光集団が約25%の出資を行い筆頭株主となっている。尚、紫光集団はアメリカのストレージ及びメモリー大手のウェスタン・デジタル(WD)の大株主でもあり、半導体業界再編の台風の目とも言うべき会社となっている。

 日本の半導体メーカーは、最後の砦とも言うべき東芝が既に事業売却の方針であり、勢いのない状態となっている。しかしながら半導体関連の会社は、今も日本企業は粘り強く生き残っており、世界シェアが高い企業も多く存在している。今回の力成科技によるテラプローブのTOBは、日本の半導体関連企業も世界的な再編と無縁ではいられないことの証と言える。今後も世界的な半導体業界再編の流れの中で、日本企業も否応なく対応を迫られるケースが出てくると予想される。(編集担当:久保田雄城)