超高齢化社会を迎えた日本では、健康を維持したまま老齢期を過ごすことへの関心が高まっている。サッポロホールディングス<2501>は、ポッカサッポロフード&ビバレッジおよび名古屋大学 鍋島俊隆名誉教授とともに、レモンポリフェノールの長期摂取が、老化促進モデルマウスの老化を抑制することを確認した。
研究では、レモンから精製したレモンポリフェノール(LPP)を使用し、その摂取の有無で老化促進モデルマウス(SAMP1)の老化度が抑えられるかどうか検証した。SAMP1は、9週齢よりLPP水(0.1% 濃度のLPP)を摂取する群(SAMP1+LPP)と水道水を摂取する群(SAMP1+water)に分け、また老化症状対照として正常老化モデルマウス(SAMR1+water)を並行して水道水摂取で飼育した。
老化度の指標として、眼周辺病変の評価と、体重、摂水、摂餌量、老化度(外観老化度)、行動量(10分間移動距離)の測定値を用い、19週齢及び70週齢の便については腸内フローラ解析を行った。
測定の結果、SAMP1の両群間に摂水量、体重、摂餌量の大きな差は認められなかったが、老化度の指標である眼周辺の病変などにおいて、SAMP1+LPPの老化度が有意に低いことが確認された。また、66週齢でSAMP1+LPPの行動量が有意に高いことも確認できた。腸内フローラの解析においては、SAMP1+waterでは加齢に伴い顕著な増加が観察されたLactobacillus属が、SAMP1+LPPでは増加が抑制されていることが確認でしたという。
これまで、レモンポリフェノールの一つである「エリオシトリン」にはコレステロール低下作用などの健康機能が報告されていたが、今回の研究結果より、レモンポリフェノールを長期間摂取することで老化進行を遅らせることが示唆されたとしている。(編集担当:慶尾六郎)