ブロックチェーン活用は新たなステージへ 進む国内実証実験

2017年05月15日 07:17

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実証実験段階がしばらく続くとも見られていただが、ここにきてブロックチェーン実用化に向けた動きが加速している。

分散型台帳技術とも呼ばれるブロックチェーンは、取引を記録する台帳が無数にコピーされることから改ざんが実質的に不可能で、中央での集中的な処理を必要としない。このことから、同技術の有効活用により、金融のみならず、登記や物流、医療情報の管理などさまざまな社会システムを刷新する可能性があるとして注目されている。昨年には新旧のエコノミーを問わず数々の企業や銀行、行政機関による実証実験が行われている。こうした実証実験段階がしばらく続くとも見られていただが、ここにきてブロックチェーン実用化に向けた動きが加速している。

 日本取引所グループ(JPX)が2016年4月から始めたブロックチェーンの実証実験では、三菱東京UFJ銀行や野村証券など金融機関と、日本IBMなどのITベンダーを巻き込んで大規模な技術検証及び実用可能性の検討を行った。同実証実験では、たとえば証券取引で、株の売買などスピードや一括処理能力が求められるシステムではブロックチェーンには適さないが、取引終了後の資金・証券の決済や株式の移転、配当金の支払いはブロクチェーン適用の有望分野といった具体的な実証が得られた。さらには今年実施の新たな実証実験では、3月発表時点で23社の金融機関と金融庁、日本銀行、日本証券業協会の3機関が参加する大規模なものとなっていて、ブロックチェーンの実装領域がより具体化すると見られる。

 ブロックチェーンでは複数のプロジェクトが標準化活動を進めており、JPXの実証実験では一般産業向けに賛同者が多い「Hyperledger」(ハイパーレジャー)が採用されている。ハイパーレジャーはリナックスファウンデーションが進めるプロジェクトで、従来ブロックチェーンが不向きだとされてきたエンタープライズ向けなど高いトランザクションがある分野での活用が可能。なかでも今回の実証実験で採用された「ハイパーレジャー・ファブリック」は、4月に標準仕様「1・0のベータ版」が策定され、実用化に向けて先行している。これ以外にも、IoT(モノのインターネット)端末への搭載可能なチップ技術としての「ハイパーレジャー・ソートゥース・レイク」や、日本のベンチャー、ソラミツと日立製作所、NTTデータ、イスラエルのColuが提案した「ハイパーレジャー・イロハ」がある。

 実装領域ごとの実用可能性および最適な技術がより明確化することで、ブロックチェーンの実装が加速すると考えられる。(編集担当:久保田雄城)