トヨタ自動車は、スマートフォン向けナビゲーションアプリ「TCスマホナビ」に、日本全国の高速道路や一般道路の休憩スポット、道の駅、公共・文化施設などに設置されている「多機能トイレ」情報の検索やルート案内を提供するサービスを2017年5月15日より開始した。
このナビゲーションサービスは、車いす利用者など身体の不自由な方にも、クルマでもっと快適に、かつ円滑に移動して貰うために、高速道路のサービスエリア、パーキングエリア、ハイウェイオアシスをはじめ、道の駅、市役所、博物館、美術館、ウェルキャブステーションなどを対象に、「多機能トイレ」の位置情報(約1万9000件)を提供するサービスだ。
また、利用者位置付近にある対象施設の位置情報をスマートフォン画面に表示し、対象施設までの最適なルートを案内する。さらに、対象施設におけるバリアフリー対応駐車場の有無や、「多機能トイレ」の入口段差の有無、手摺り位置と形状などの詳細情報が提供できる対象施設もある。
トヨタは、2015年5月~2017年3月までの約2年間、東海3県(愛知・岐阜・三重)において、トヨタ車純正ナビ向けのT-ConnectおよびLexus G-Linkナビゲーション向け専用アプリ「APPs(アップス)」のラインアップとして、アプリ「多機能トイレナビ」を設定し、サービス提供し実証実験を実施してきた。
今回のサービスは、より幅広いユーザーに、もっと安心・便利な移動支援サービスを提供するために「多機能トイレ」情報を網羅する地域を全国に拡げるとともに、誰でもスマートフォンを使って、無料でサービスを利用できるよう、利便性を向上させた。
スマートフォン向けナビゲーションアプリ「TCスマホナビ」は、昨年12月以前からスマートフォン向けナビゲーションアプリとして、車載通信機などを通じて車両から収集されたビッグデータに基づく、トヨタ独自の渋滞情報「Tプローブ交通情報」を掲載し、渋滞を回避するルートを案内する「T-Connectスマホアプリ」を有料(2500円/年)で提供してきた。その有料使用を昨年12月1日以降“無料で誰でも”使えるように変更していた。
12月から提供を開始した「TCスマホナビ」は、従来のナビゲーション機能の視認性・操作性を高めながら、「Tプローブ交通情報」や「通れた道マップ」を常時掲載。誰にでも無料で、安心・便利な移動支援サービスを提供しながら、これらの情報に平常時から慣れてもらい、災害時の有効活用に繫げることを狙いとして無料化したとしていた。
「TCスマホナビ」は、大規模災害発生時においては、「通れた道マップ」に「被災地の航空写真」を表示するが可能であり、この夏には、「通れた道マップ」を反映したナビゲーションのルート探索機能を追加するなど、災害対策機能を強化していく。(編集担当:吉田恒)