三菱マテリアルが、ダイヤモンド工具事業のうちホイール製品に関する事業を日本ダイヤモンドに譲渡することで基本合意したと発表。6月に事業譲渡契約を締結し、8月1日に事業譲渡が行われる予定である。
セラミックスや超硬などの表面を高精度に研磨加工する為に使用され、工業用ダイヤモンド砥粒などを焼き固めた砥石であるホイール製品。44年にわたる三菱マテリアルのダイヤモンド工具事業の一事業であるが、事業構造改革の一環として、日本ダイヤモンドに譲渡することになった。
譲渡先となる日本ダイヤモンドは、日本初のダイヤモンド工具メーカーとして1917年に設立以来、ダイヤモンド工具業界のパイオニアとして活動を続け、土木建築用並びに耐火物用、産業用工具分野において、確固たる地位を築いている企業。今回の譲渡により、総合ダイヤモンド工具メーカーとして更に発展することが見込まれる。
2009年に生産額前年比40.2%減という大規模な落ち込みを経験したダイヤモンド工業市場であるが、2010年には前年比52.1%増と大きくゆり戻して回復し、2011年も前年比3.3%増と、堅調に回復している。中でも研削ホイール事業は2010年に前年比81.8%増、2011年も前年比3.5%増と、他のダイヤモンド工具と比して大きく回復している。一方で、2011年の12月だけの生産額を見ると、対前年同月比でダイヤモンド工具全体では15.8%減となる中、研削ホイールは23.0%減と大きく落ち込んでいる。今回の事業譲渡が三菱マテリアルにとってプラスとなるのか、それとも日本ダイヤモンドが発展する好機となるのか。今後の動向に注目が集まるところだ。