菅義偉官房長官は30日の記者会見で、学校法人加計(かけ)学園(岡山市)の大学への獣医学部設置を巡り、文部科学省の事務方トップだった前川喜平前文部科学事務次官が和泉洋人総理補佐官と複数回面会した際、加計学園への獣医学部の新設を急ぐようにという働きかけがあり「総理は自分の口から言えないから、私が代わって言う」などと言われたと証言しているが、政府として、事実関係を調査する考えはないのか、と記者団に問われ「全くありません」と聞く耳持たずの答弁をした。
菅官房長官は総理の意向などと記された文書や文書の内容についての前川前文部科学次官の話について「前川さんが勝手に言われていることだと思う」と向き合うことを避けた。
記者団が、調査しない理由はと質すと、菅官房長官は「和泉さんはしっかり答えているじゃないですか。前川さんが勝手に言っていることに、いちいち政府として答えることはないと思う」と同じく、向き合う気のないことを露わにした。
また、安倍晋三総理が加計学園理事長と友人関係というだけでなく、衆院選挙に初当選した当初数年間、加計学園の役員をし、年間14万円の報酬を受けていたことからも、加計学園と総理とのかかわりの深さがみられるが、国家戦略特区の獣医学部新設に影響したことはないとの認識に変わりないか、と記者団に聞かれ「変わりない」と答えた。
菅官房長官は「加計学園については麻生政権で不適格と出ている。民進党政権で平成21年11月に愛媛県と今治市の特区提案で『実現に向け検討』と格上げになった。民主党政権でその後、たなさらしになっていたものを安倍内閣で結果を出した、というのが客観的事実だ。安倍政権になって急に出てきたものではない」と反論した。(編集担当:森高龍二)