Alphabet傘下、DeepMind開発のAlphaGoが囲碁の世界トップランクのカ・ケツと対局。結果は3局行ってAlphaGoの3勝となった。同じイベントで行われた、人間5人を同時に相手にする「相談碁」でもAlphaGoが勝利している。DeepMindのデミス・ハサビスCEOにより、同日でのAlphaGoの引退が宣言され、次なるレベルの開発に注力することになった。
Alphabet傘下、DeepMind開発のAlphaGoが囲碁の世界トップランクのカ・ケツと対局。結果は3局行ってAlphaGoの3勝となった。同じイベントで行われた、人間5人を同時に相手にする「相談碁」でもAlphaGoが勝利している。DeepMindのデミス・ハサビスCEOにより、同日でのAlphaGoの引退が宣言され、次なるレベルの開発に注力することになった。
2016年1月に初めてプロ棋士に勝利したAlphaGoは、同年3月には韓国のプロ棋士、イ・セドル九段と対戦。4勝1敗という目覚ましい結果を出して世界から注目を集めた。昨年末には、ネット上に、覆面棋士「Master」として登場。世界のトップ棋士相手に60戦無敗の成績を残している。専門家はコンピュータがプロ棋士に勝つには10年かかると予測していたが、DeepMindはディープラーニングを活用してAlphaGoを鍛え、数年で世界トップの実力を得た。人間の残す棋譜だけでは教材が足りず、アルファ碁同士が自己対戦を繰り返して能力を高めたAlphaGoだが、今回、AlphaGo同士の対局による棋譜50局ぶんが初めて公開された。同内容は棋士の理解を超える領域に達しているとのこと。
突如出現したAlphaGoは、4000年とされる囲碁の歴史に革新的な影響を与え、次のレベルの開発に進むことになる。次のレベルの開発では、アルゴリズムの改造により、病気の治療方法の発見や消費エネルギーの劇的削減、革新的な新素材の開発といった、より実用的な領域での課題解決を目指す。AlphaGoの活用については、すでに昨年、イギリスの国民保険サービスとの間で情報共有について合意を交わしており、現在は個人情報補語監視機関(ICO)による精査が行われているとのこと。
直接対局については引退となったAlphaGoだが、今後はこれまでの対局の報告書が作成される予定で、囲碁初心者や経験者のための学習ツールも開発されるとのこと。将棋界でも行われていることだが、AIの打ち手から人間が学習し、常識を超える打ち手が登場することにより、ゲーム自体がさらなる成熟を遂げる可能性がある。これまでに発見されなかった定石が生まれることも考えられ、AlphaGoの囲碁界への貢献はまだまだ続くと考えられる。(編集担当:久保田雄城)