世界半導体市場統計(WSTS)が2017~2019年の半導体市場の予測を発表した。2017年・2018年は2011年以降において2連連続で過去最高の市場規模を予測している。尚、市場予測は地域別、製品別に行われている。
半導体製品の中において最も市場が大きいIC分野で見ると、世界のIC市場は2011年以降では2014年の277,302百万ドルが過去最高の数字であったが、2017年の予想は311,572百万ドルと最高数値の更新を予想。更に2018年は319,188百万ドルと2年連続で過去最高数字の更新を予想している。
市場拡大の一番の要因は半導体メモリーの市場拡大である。すべてのモノがインターネットに繋がると言われるIoT時代を見据えて、各社がデータセンターへの積極的な投資を行っているが、サーバーに利用される半導体メモリーの需要が急拡大している。半導体メモリー市場の規模は2014年の79,232百万ドルが2011年以降では最高数値であったが、2017年は100,141百万ドルとなりアッサリと過去最高数字を大幅に更新すると予想されている。2018年も100,999百万ドルと伸び率こそ鈍化するものの、2017年以上の市場規模が予想されている。
現在半導体メモリーは品薄状態が続いており、一般で利用されるPC用メモリーの価格が高騰しているが、当面メモリー価格の高止まりは継続が予想される。
世界の地域別に市場を見た場合、半導体の成長市場はアメリカ及びアジア地域となる。2016年→2017年の市場の伸び率はアメリカ+12.2%、アジア地域+12.4%となっており、両地域は2桁の市場の伸びが予想されている。一方、ヨーロッパ及び日本も市場の伸び自体は予想されているが、ヨーロッパ+8.7%、日本+6.6%となっており市場の伸びは低調なものとなる見込みである。
IoT時代の到来が迫る中、そのインフラとなるデータセンター始め、関連業界の各社がIoT時代を見据えての設備投資を開始している。IoT時代に向けた設備投資は当面継続が予想される。半導体業界は最も恩恵を受ける業界の1つであり、今後半導体関連企業の成長にも期待したい。(編集担当:久保田雄城)