沖縄県の北部訓練場のヘリパッド4か所の運用を月内に始めると米側から通知があったとする報道について、稲田朋美防衛大臣は20日の記者会見で「報道は承知しているが、米側から『月内に始める』と通知を受けた事実はない」と答えた。
そのうえで、稲田防衛大臣は「運用に当たっては影響を受ける国頭村、東村の皆様への配慮が大切だと考えている」と述べ「オスプレイを始めとした米軍機が住宅上空の飛行や夜間の飛行、つり下げ訓練や低空飛行訓練を行った場合、地元の皆様に与える影響が増えるのではないかという懸念を持たれることは十分理解している」とし「懸念に最大限配慮して地元への影響が最小限に留まるよう米軍と緊密に調整していく」と語った。
一方、沖縄県の翁長雄志知事が県議会定例会で沖縄防衛局が県の行政指導に応じず護岸工事に着手し岩礁破砕を行うことは確実だとして、辺野古の工事差し止めを求める訴訟の議決案を提案したことの受け止めを記者団から聞かれた稲田大臣は「普天間飛行場の危険性除去という意味において辺野古の移転に関しては、昨年3月に和解が成立し、昨年の暮れには最高裁まで判決が出ている。また今の岩礁破砕許可に関しては関係法令を所管している水産庁にも確認をした上で、沖縄県に対して許可申請をしないという旨を伝達している」と説明。
稲田大臣は「防衛省として、昨年末の最高裁までの確定判決、昨年3月の和解の趣旨に従って事業を進めていく」とした。ただ、知事の議決案が議会で可決されれば、再び、県と国が司法の場で争うことになる。(編集担当:森高龍二)