佐川理財局長が5日付けで国税庁長官に昇格

2017年07月04日 19:19

 学校法人森友学園(大阪市)への国有地払い下げでの8億円値引きの真相が解明されないまま、国会答弁では野党の追及に「記憶にない」「森友学園との売買交渉記録は残っていない」などと、政府側に沿った対応をしてきた佐川宣寿理財局長が、論功人事で国税庁長官になるとした一部報道通り、5日付けで国税庁長官に就任する。麻生太郎財務大臣が4日、人事発表した。

 菅義偉官房長官は4日の記者会見で、記者団から佐川理財局長の国会答弁は問題視されていたが、政府は国会答弁を含め、佐川理財局長を評価しているということか、との問いに「すべての人事についてそうだが」と一般論にすり替え「適材適所の中で配置が行われている。国税庁長官もそのひとつ」と答えた。

 菅官房長官は「森友学園への国有地売却についても(国会で、佐川理事局長は)説明してきたと思う。質問にはしっかり答えていたと思う」と国民の受け止めとは、かなり距離のある答弁をした。菅官房長官は「適材適所」を多用した。

 また菅官房長官は「人事についての具体的な検討過程については(記者団の質問に対し)回答は控えたい」と回避した。

 記者団から「佐川氏は国有地の8億円の値引きに対し(国会で)詳細な文書等がない。説明できないなどの答弁を繰り返しており、国民の目から見て、しっかりと説明責任を果たしていなかった疑念はぬぐえない。このような方を国税庁長官に決めたが、国民の理解は得られたとの認識か」との問いに、菅官房長官は「国会で適切に答弁していたと思っている」と反論した。(編集担当:森高龍二)