稲田防衛相居残りで内閣への不信感広がる状況に

2017年07月03日 08:09

 民進党の大串博志政調会長は、稲田朋美防衛大臣が都議選自民党候補の応援で「2期目の当選は大変ですから、防衛省・自衛隊・防衛大臣・自民党としてもお願いしたい」と演説した(大臣は約4時間後に発言を撤回)ことに、30日の記者会見で「私たちは発言後の翌日に、外務・防衛合同部門会議を開き、稲田大臣に説明を求めたが断られた」と批判。

 また、「合同部門会議を開くよう求めた際、政府側に『発言のどの部分を撤回したのか、公職選挙法違反を含めて法律違反の発言ではないのか、という点を明らかにしてほしい』とお願いしたが、今朝まで回答がなかった。今朝になって『防衛省、自衛隊、防衛大臣として、というところは撤回しおわびする』という発言があったが、今、謝罪したからと言って済む問題ではない」と非難した。

 大串政調会長は「防衛大臣という地位を利用し『選挙で自民党を応援すべし』と政治的行為を促したこと自体が法に触れている」と断じたうえで「発言から3日経って、ようやく国民の声に突き動かされる形で謝罪したこと、私たちの質問に答えない姿勢は問題の深刻さを全く理解していない」と指摘。

 大串政調会長は「稲田防衛大臣には、大臣としての資質・能力・資格は全くない。罷免に値すると思う」と安倍総理は罷免すべきだとした。

 大串政調会長は、森友問題での稲田大臣の国会答弁での姿勢も取り上げ「『籠池(泰典前森友学園理事長)氏の顧問弁護士をしていない』と言ったこともある。平気でうそをつく大臣だ」と大臣に留まる資格はないと断じた。

 稲田大臣の選挙応援演説での発言は政治的中立を逸脱した可能性があり、「まだ東北だったからよかった」と大震災について語って引責辞任した復興大臣の発言並みか、それ以上に政治的に深刻な発言だけに、居残れば、安倍内閣と稲田大臣に対する国民の不信感が広がる状況だ。(編集担当:森高龍二)