官邸なんか気にしたことない 山本地方創生相

2017年07月11日 04:55

 前川喜平・前文部科学事務次官は10日の参院文科委員会・内閣委員会連合審査会で、獣医学部新設を巡る加計学園疑惑解明には「和泉洋人総理補佐官、加計学園理事長らから意見を伺うことをしないと私や文科省だけから聞いても、全体が分からない」と問題のキーマンを参考人招致するよう提案した。

 前川氏は、この問題は(1)加計学園が2015年閣議決定の4条件を本当に満たしていたのか(2)どういう経緯を辿って『広域的に存在しない地域に限り』とか『平成30年4月開設』が条件にされたのか、そういったことの解明ができていない。(3)京都府・京都産業大学の提案との比較検討が行われたのかどうかも、明らかでない」と提起した。

 質問に立っていた日本維新の会の清水貴之議員は質疑の中で、山本幸三地方創生担当大臣に対し、前川氏らの発言も踏まえ「国民にも分かり易くするため、獣医学部設置について、再度審議してはどうか」と求めたが、山本大臣は「まったく、そういう必要はない」と再審議の必要はないとした。

 さらに山本大臣は「一点の曇りもなく、ルールに基づいてやってきた。規制緩和に個人の意見が入ってくるような話ではない。内閣府と規制監督省庁と民間議員と意見交換しながら決めていくものだ。官邸なんか気にしたことない。粛々と手続きを進めてきた。2015年閣議決定の4条件を満たしていないかどうか証明するのは文科省だ」と開き直った。

山本大臣は特区申請の条件に「広域的に」などの文言を条件に加える指示をしたのは自身だと発言しているが、それを裏付ける客観的資料も示さず、まったく説得力を欠いた答弁を繰り返している。(編集担当:森高龍二)