10年毎に3回行われた子供たちへのアンケート調査で、「こども20年変化」が良く分かる調査結果が出た。メディアのの信用度についてはテレビの信用度が20年で23%以上の上昇であったのに対し、インターネット(97年は未聴取)の信用が大きく下がったのが印象的だ。
博報堂生活総合研究所は、1997年から10年ごとにほぼ同じ質問内容のアンケート調査を、小学4年生から中学2年生の子ども達を対象に実施してきた。2017年は、2月15日~3月21日にかけ800人(各学年160人)に調査し、「こども20年変化」の調査結果を発表したのだ。この20年で、少子化・共働きの増加・教育方法・デジタル環境・天災等、大人ももちろんだが子供環境も大きく変化したと言える。子供たちの意識や行動はどのように変わったのか興味深い結果が出た。
メディアの信用度についての結果を見ると、新聞・ラジオ・テレビ・雑誌・インターネットの中で、新聞は1997年に87.1%からほぼ横ばいで2017年に88.3%、ラジオが64.2%から75.1%と10.9%の緩やかな上昇、雑誌が58.1%から64.8%のわずかな上昇であったのに比べ、テレビは47.9%と1997年の調査時一番信用度が低かったのが、2007年には57.5%17年には71.3%と大幅に信用度が上昇したことが分かる。インターネットについては、97年時点での調査はないが、07年に40.8%だったのが17年には29.0%と大きく信用度が下がり、メディアの中でも信用度が一番低いという結果となった。
17年のみだが、ネットを利用する時どんな機器を使うかでは、スマートフォンが56.4%、ゲーム機36.4%、パソコン33.8%、タブレット31.6%などとなっており、インターネットを利用していないのは6.1%とわずか。インターネットの利用が子供たちにも一般化していることがうかがえる。
お金や消費に関しては、「お小遣いを貰っている」が78.9%から63.0%と減り、「流行に関心がある」は65.7%から55.4%へ、「新しい商品が出たらすぐに欲しくなる」についても56.4%から41.6%と同じような幅で低くなっている。
興味がある旅行先は1997年には海外と国内ともに40%台前半とあまり差がなかったのに、2017年では海外30.5%と国内60%と大きく差が開く結果となった。「世界と日本のどちらを第一に考えるべきか」という質問についても、海外が61.8%から45.9%と下がったのに対し、日本が37.3%から54.0%と上がり逆転した。
豊かさと幸福については、「自分が豊かな方だ」と思うのは82.0%、「自分は幸せな方だ」は91.4%とどちらも同じように上昇している。「将来は結婚したいと思う」「自分の将来は明るいと思う」などの項目はほぼ変わらない結果となった。
社会人となって10歳も違うと、若い世代の事が理解できないと思う事も良くあるが、調査結果を見て分かるように、考え方が違うのだから理解が出来ないと思うのも仕方ない。我々も、この調査結果を参考にした方がいいかもしれない。(編集担当:久保田雄城)