改憲「スケジュールありきでない」総理世論意識

2017年08月04日 06:22

 安倍晋三総理は3日午後6時から、内閣改造に伴う記者会見を行い、憲法改正に関して記者団の質問に答え「スケジュールありきではない。国会が発議するわけであり、国会でしっかり議論していく。また、党主導で進めていってもらいたい。しっかり党で議論し、国民の皆様の議論が深まり、国会でも議論が深まっていく事を期待している」と今年5月時の強気発言に比べ、世論を意識した対応へ、一歩引いた姿勢を伺わせた。衆院の解散・総選挙についても「全く白紙」と答えた。

 安倍総理は5月に、自民党総裁として、憲法9条(戦争の放棄)の1項、2項をそのまま保持し、3項で自衛隊を明記するとの提案とともに自民党の憲法改正草案を臨時国会で年内に提出する改憲スケジュールまで示し、党に準備を急がせていた。

 安倍総理は記者団の質問に「政権奪還からこれまで経済最優先で取り組んできた。おかげで正社員の有効求人倍率が史上初めて1倍を超えた。賃金も上昇し始めたが、もっともっと上げて行かなければいけない。経済の好循環を力強く回していくことが安倍政権の最重要課題であり、安倍政権の使命と考えている」と強調した。

 そのうえで安倍総理は「本年憲法施行70年の節目を迎えた。70年の間に世界の情勢も、人々の暮らしも大きく変わった。そこで、憲法はどうあるべきかを考えて行かなければならないのではないか。議論を深めていく必要があると考え、一石を投じた」と5月の改憲発言はその意図からの発言だったとした。(編集担当:森高龍二)