近年、突発的かつ局地的に激しい雨や落雷をもたらす“ゲリラ豪雨”の発生が増加傾向にあり、毎夏、突然の激しい雨や落雷による災害が全国各地で多発している。都市部では水災害による浸水や大規模な交通機関の麻痺などが懸念されている一方で、非都市部では河川の氾濫や地盤沈下などによる土砂災害などの発生による被害が予想される。
ウェザーニューズが発表した『ゲリラ豪雨傾向』によると、2017年7~9月のゲリラ豪雨は、全国で7,043回発生する予想で、過去3年平均と比べると30%増となる。今シーズンのゲリラ豪雨発生のピークは、8月中旬と予想されており、全体の約30%となる見込みで秋口までは油断出来ない状態が続く。
そんな中、今年6月に建設技術研究所、レスキューナウ、匠技研の3社は、レスキューナウと匠技研が共同開発し運営する「レスキューWeb MAP」を通じた事業拡大を図ることを目的として、業務提携を開始することに基本合意した。これにより、各社が持つノウハウや強みを活かしたサービスの提供が可能となった。
「レスキューWeb MAP」は災害発生時における危機管理情報を一元的に把握できる「デジタル地図」として被害状況や交通、ライフラインなどの情報収集作業の時間を短縮し、迅速的確な対応判断を支援し、「地理情報と危機管理情報を視覚的に把握する」までに多くの作業時間を要してしまうなどの課題解決の為の災害情報管理コンテンツとして期待されている。
多彩な危機管理情報をデジタル地図に自動表示することで、災害情報分野でのデジタル地図に期待されてきた即時性、自動表示可能な情報の質・量を、ともに実現した国内随一のソリューションで、被災地の状況を地図上で俯瞰的かつ一元的に把握することができる。ユーザーはその後に控える必要な対応判断に、これまで以上に専念することができるようになるといった大きなメリットが得られる。
さらに、提供中の危機管理情報カテゴリーに加えて新たに都市部の“内水はん濫”のリスクが増大している事を背景として「内水浸水リスクマップ」を新メニューとして追加、高解像度降水ナウキャスト等の情報もデジタル地図上に描画して提供することでリアルタイムに詳細な浸水エリアの把握が可能となった。また、地図表示のメリットを活かし、ユーザーが自社の全国の事業所等、任意の拠点情報を登録しておくことも可能となる。
今後は、危機管理情報をトリガーとして、広域災害時に影響が懸念される拠点の抽出が地図上で瞬時に行えることとなり初動対応時のユーザーの負荷が大きく軽減され、安心・安全へと繋がることが予想される。“ゲリラ豪雨”の予測は難しいが、対応の即時性が高まっているなか、事前準備と災害情報管理コンテンツの活用でうまく対応したい。(編集担当:久保田雄城)