米国が軍事的圧力で北朝鮮をけん制する行動に出ている。しかも朝鮮半島上空を31日飛行した米軍「戦略爆撃機」は岩国基地(山口県)から発進したものも入っていた。
韓国・聯合ニュースは31日夕の電子版で「北朝鮮の中距離弾道ミサイル『火星12』発射に対抗し、米軍が、31日午後に戦略爆撃機B1Bと最新鋭ステルス戦闘機F35B、それぞれ2機を朝鮮半島上空に飛来させたことが分かった」と伝えた。
「韓国空軍の戦闘機編隊と合同で飛行訓練を行った」と韓国軍関係者が明かしたとしている。B1BとF35Bはグアム米空軍基地のみでなく「日本の岩国基地から発進した」としており、北朝鮮が「悪の日本」との表現をする中、外交、経済による圧力強化のみでなく、軍備を背景とした米国の北朝鮮への圧力でも、日本が米国と一体的に組み込まれていくことに危機感を示す声もある。
聯合ニュースは、B1Bは「米軍の3大戦略爆撃機で、敵地を絨毯(じゅうたん)爆撃できることから広範囲な破壊力を備えている。最大搭載量は機内が34トン、翼を含めた機外が27トンに達し、一度の出撃で大量の爆弾を投下できる」と解説。
F35Bについては「最新鋭機で韓国空軍が来年から導入する基本型のF35Aに垂直離着陸機能を加えた機種。強襲揚陸艦からも出撃可能でレーダーに探知されにくく、搭載するレーダーは500キロ先のターゲットを探知できるとされる」としている。
日本共産党の志位和夫委員長は米国のマティス国防長官が北朝鮮との外交的な解決の可能性を排除しない考えを示していることに「この局面で米国政府の軍事担当者から冷静な発言がされたことは重要だ」とツイッターで発信。「危機打開のための対話の可能性を(国際社会と一致協力して)追求すべき」と政府に求めている。(編集担当:森高龍二)