日本経済団体連合会の榊原定征会長は6日の共同記者会見で、政府の現在のエネルギー基本計画では2030年度に電源構成に占める原発割合は20%から22%になっている、として原発再稼働どころか「リプレイスや新設についても考える必要がある」と原発比率を如何に下げ、原発のない社会をめざすのかではなく、22%まで原発稼働枠があるとの考えで、新設まで訴える、脱原発社会と真逆の主張を強めている。
政府の総合エネルギー調査会・基本政策分科会ではエネルギー基本計画の見直しが始まったが、経団連としては22%まで原発による発電が可能との視点で、新設も含めた議論を進めるよう、エネルギー基本計画の見直しに関し、年内を目途に取りまとめ、提言する狙いのよう。
安倍政権の下で、経済産業省はエネルギー基本計画の見直しを契機に、原発の新増設、建て替えの必要性を基本計画に明記する可能性がある。経団連は原発新増設を基本計画に入れるよう政府を後押しするもよう。しかし、現実問題、原発稼働による使用済み核燃料の最終処分場問題さえ目途が全く立たない中、増設や新設を織り込むこと自体、無責任としか言いようがない。原発割合を引き下げる議論こそすべきだ。(編集担当:森高龍二)