政府は原発融資で焦げ付きが生じた場合、その損失を全額賄う馬鹿げた措置をとるもよう。菅直人元総理は「何故民間企業である日立の経営上のリスクを、国民に押し付けるのか。日本国民の負担で貸し倒れリスクを全額補償するというのはもってのほかだ」と政府対応を強く批判した。
日本経済新聞が2日付で報じたもので、その内容は「日立製作所が英国に建設する原発に、日本のメガバンクが融資する建設資金を、日本貿易保険(NEXI)を通じて全額補償する」というもの。日本経済新聞も「先進国向け案件の貸し倒れリスクを、国が全て引き受けるのは異例の措置」と伝えている。
菅直人元総理は「正当な理由があると考える人があれば、意見を聞きたい」と疑問提起している。
菅元総理は「福島原発事故以降、世界の原発の建設コストが暴騰し、銀行が融資を渋っている。それを日本国民の負担で貸し倒れリスクを全額補償するというのはもってのほかで、採算が合わなければ建設しなければいいだけ」と当然の指摘。
菅元総理は「英国では日本の原発メーカが電力会社を買い取り、その電力会社から原発を受注するということが行われている。しかし、原発コストが高騰し、再エネコストが低下し、採算が取れないリスクが高い」との見方を示した。
「東芝は米国のウエスチングハウス(WH)を子会社化し、米国で2基の原発の建設を始めたが、1兆円を超える負債を負って撤退を決断」した。菅元総理は「日立も経営判断を間違うと東芝の二の舞になる」とも警告する。(編集担当:森高龍二)