学校法人加計学園(岡山市)の獣医学部設置をめぐる2015年獣医学部新設4条件(閣議決定)の適否に関し、15日の民進党加計学園疑惑調査チーム会合で厚生労働省担当者は「バイオセーフティレベル3(BSL3)=結核菌、狂犬病、鳥インフルエンザなどのウイルス・細菌を扱う」施設の審査に関し「一切確認させていただいていない。相談にもきていない」と答えた。条件をクリアしていない可能性がある。
文科省の大学設置・学校法人審議会(設置審)では2015年に安倍政権が閣議決定した獣医学部新設4条件を踏まえたカリキュラムや教授陣・施設になっているか審査するとしているが、本当に審査しているのか、疑問も浮上した格好。
民進党調査チームは加計学園獣医学部建設計画にある「BSL3」の病原菌研究施設をめぐり、専門家から「危険なウイルスや病原菌の漏出対策が不十分で、重大なバイオハザード(生物災害)が100%起きる」などの指摘や「BSL3実験室が教職員の研究室の並ぶ廊下そばに置かれ、日常的に常駐する教職員や学生への感染を防げない」との指摘を受け、この点について質したのに答えた。
また、この日のヒアリングで獣医師養成課程のある全国16大学のうち半数の8大学ですでにBSL3施設を必要とする病原体の研究が行われていることが明らかになり、加計学園が既存の大学では十分に取り組めない専門教育を実施するとしていることにも、その必要性が揺らぐ現況が浮かび上がってきた。臨時国会では、森友問題とともに大きな争点になりそうだ。(編集担当:森高龍二)