加計学園、今治市議会で経過説明、市民には黙止

2017年09月07日 17:54

 市民に説明を。獣医学部新設を巡る問題が明るみになって以来、初めて、学校法人加計学園の関係者が愛媛県今治市議会特区特別委員会で経緯を説明し「迷惑をかけている」と陳謝した。一方で、来年4月開学に向けての意欲を示した。委員会終了後に説明を求め議場外で待ち構えていた市民らには一言も語らず、黙止して、その場を去った。

 特別委員会に出席したのは獣医学部長に就任予定の吉川泰弘新学部設置準備室長、柳沢康信岡山理科大学長、渡辺良人法人本部事務局長。

 冒頭、「情報が錯そうして迷惑をかけ、おわびする」との加計孝太郎理事長のメッセージを紹介し、詫びた。そのうえで、文科省の大学設置審の審査が8月末に保留扱いになったことを受け「今月末を目途に補正した申請書を提出する」とし、10月の審査で認可を目指す意向を伝えた。

 加計学園の?医学部新設を巡っては安倍晋三総理が議長をつとめる国家戦略特区での認可過程の不透明さと特に2015年の閣議決定に基づく新設4条件クリアを巡る説明はあいまいなまま。「総理の意向」「2018年4月開設」などの文言の入った文書についても、解明できないままになっている。こうした中、市民らが6日、獣医学部校舎建設地として市が土地を学園に無償譲渡したのは違法だとし、市長を相手に松山地裁に住民訴訟を起こした。(編集担当:森高龍二)