原子力規制委員会は東電が保安規定に違反した場合、原発の運転停止や設置変更許可取り消しができるので「安全文化の向上」を保安規定に盛り込むことで原発事業者としての適格性を一応担保できるとして、27日にも柏崎刈羽原発(新潟県)の6号機、7号機の再稼働に事実上の合格証を与える審査書案を取りまとめることになった。
再稼働した場合、保安規定に基づき、4半期毎に保安規定通りに施設が安全に管理されているかどうかを原子力規制委員会が検査し、重大な違反行為があれば運転停止などの行政命令を出す。
東電の小早川智明社長は20日開かれた原子力規制委員会でも、トップとして先頭に立ち、原子力安全向上のため改革を進めることや福島の復興、福島第一原発の廃炉、賠償をやり遂げる旨を示した。
一方、地元・新潟県の米山隆一知事は20日ツイッターで「東京電力福島第一原発事故で、(事故当時)3月23日まで1号機の原子炉に対して冷却に寄与する注水は、ほぼゼロだった、という衝撃の報告(NHKスペシャル『メルトダウン』取材班)」があることを提起し「新潟県が取り組む3つの検証は必須であると思います」と改めて(1)原発事故の原因(2)住民健康への影響(3)避難計画の実効性を検証し、この作業が終わらなければ柏崎刈羽原発の再稼働の議論はできないとの考えを明確にした。
県は3つの検証のため、それぞれ専門委員会(技術委員会、健康・生活委員会、避難委員会)を立ち上げ、審議入りしている。米山知事は徹底検証する考え。(編集担当:森高龍二)