小池百合子率いる希望の党は民進党からの合流組に対し、安保法制に対して「憲法に則り」と当然のことを明記したうえで「適正に運用する」とともに「不断の見直しを行い、現実的な安保政策を支持する」ことを求めた。
安保法制は安倍政権が「集団的自衛権は有するが、現行憲法(平和憲法)では行使できない」としてきた歴代の憲法解釈を「限定的に認められる」と変更し、これを根拠に限定的に集団的自衛権の行使を認めた。
前原誠司民進党代表自ら、これにより制定された安保法制は憲法違反部分を含むもので、ここは直す必要があると主張してきた。安倍政権打倒のために、民進党を解党状態にし、「奇策」とみられる選挙戦略が「愚策」になりつつある中、希望の党からの出馬には、現行の安保法制を是認する選択を迫られることになる。希望の党は文言に集団的自衛権の限定的な行使、容認を入れておらず、解釈にゆとりを持たせた格好にはしている。
このほか、憲法改正を支持する、外国人への地方参政権の付与を反対する、希望の党が選挙協力する政党への批判を禁止する、と日本維新の会などを意識した縛りをつけた。保守の小池色が色濃く反映している。民進党は外国人も納税義務を果たしていることを考慮し、自らが住む自治体の選挙について参政権を付与する方向で取り組んできた経緯がある。(編集担当:森高龍二)