「候補者調整は一両日にも」前原代表

2017年10月02日 06:21

 民進党は前原誠司代表の提案で、安倍政権打倒のためとして、奇策ともとれる10日公示、22日投開票の総選挙に党から候補を立てず、小池百合子都知事率いる希望の党に公認申請し、希望の党から選挙に挑む、希望の党との交渉は前原代表に一任するとの決定を両院議員総会で行ったが、安倍政権打倒の一点で奇策を党決定したにもかかわらず、いわゆるリベラル派とされる党議員を希望の党が「リアルな安保法制に対応できるか否か」で選別していることも踏まえ、30日、枝野幸男代表代行は前原代表に党決定での説明とは違うと、説明を求めた。

 枝野氏は説明を求めたことをツイッターでも発信。「様々な報道はありますが、前原代表が両院総会で述べたこと(理念政策と多くの仲間が守られること)と決定したことが実現されるものと信じ、見守ってきた。しかし、両院総会での話が違っていた場合、総選挙日程との関係で善後策が時間切れになる」とし、選別の問題と合わせて理念や政策の方向性について早急に説明するよう要求している。

 選別により希望の党が民進党のリベラル派とされる議員をすべて排除するとすれば、総選挙を目前に、前原代表が民進党支持者を裏切り、保守勢力に加担し、民進党を事実上、空中分解させることになりかねない。政権交代どころか、安倍政権を利する結果になりかねず、民進党代表選挙で選ばれたリーダーの責任は、民進党だけでなく、さきの4党合意(民進・共産・自由・社民)を踏まえれば、共産、社民からも、改めて前原代表に非難が出てきそうだ。

 希望の党に公認申請せず、無所属での出馬を示し、リベラル勢力結集での新党立ち上げなどを模索する動きもある。野田佳彦前総理、菅直人元総理、辻元清美元国土交通副大臣らは希望の党に沿わないとしている。

 前原代表は30日の47都道府県連の幹事長や選挙実務者を集めた全国幹事会・選挙対策担当者会議で「安倍政権を終わらせなければならない。民進党が大きく議席を減らしてしまうなら、名を捨てて実を取る。名前は変わるかもしれないが、最善の方策として提示させていただいた」と説明していた。

 そして「候補者調整は希望の党側が一方的に行うものではなく、小池氏と2人で協議をして決める。具体的な交渉を玄葉光一郎衆院議員と若狭衆院議員とで行っている。一両日中に方向性を示させていただく」と理解を求めていた。10日の公示を前に、猶予の全くない状況だ。結論が急がれている。(編集担当:森高龍二)