外交努力で9条実現への努力を強調 志位委員長

2017年10月08日 11:00

 日本共産党の志位和夫委員長は7日夜行われた動画配信サイト「ニコニコ動画」での8党党首ネット討論会で、日本維新の会の松井一郎代表(大阪府知事)から、共産党は自衛隊が違憲との考えと思うが、違憲であれば合憲になるように改憲するか、自衛隊をなくすか、どちらかを見直さなければならない。どちらを見直すのか、と聞かれ「憲法9条と自衛隊は両立しえないと考えている。憲法9条の実現へ、自衛隊を一歩一歩変えていく」と長期的スタンスで取り組むべきこととした。

 志位委員長は「周りの国々との平和な関係が成熟し、自衛隊がなくても安心できると国民多数の合意が成熟した場合に、自衛隊をなくすことができる」と現実の状況下での自衛隊の存在を是認した。

 自民党の安倍晋三総裁(総理)は「共産党が連立政権をとり、志位さんが総理になって、私が(国会で)自衛隊は合憲ですかと聞いて、志位さんが違憲ですと言った瞬間、自衛隊法は違憲立法になる。徐々にということはできない。侵略が起きた時、どうするのか。災害が起きた時に出動できない現実に直面するが」と訊ねた。

 志位委員長は「日本共産党の立場では違憲の立場だが、日本共産党が参加する政権ができたとしても、政権としての憲法解釈は直ちに違憲とすることはできない。合憲とする解釈がしばらくの間続く。これは国民の意見、合意が成熟して初めて9条の完全実施に向けた政府解釈の変更ということになる」と述べた。

 また「しばらくの間」については「すべての国々と友好関係を築く、日本を取り巻く平和的環境が熟成し、それを見て国民の圧倒的多数が、自衛隊がなくても安心だということがあって、初めて9条の完全実施に取り組むということだ」と外交努力で9条実現への努力をしていく考えを強調した。(編集担当:森高龍二)