憲法活かす政治 消費税あげない財源も 社民

2017年10月08日 07:39

 社会民主党は憲法を活かす政治を目指すとの公約を7日までに発表した。「大企業や富裕層の優遇によって経済成長を目指すアベノミクス(トリクルダウンの経済政策)ではなく、一人一人の生活や地域、中小企業を元気にする『ボトムアップの経済政策』を通じ、GDPの6割を占める個人消費を温め、実感ある景気回復を実現する」としている。

 消費税の10%引き上げにも反対する。引き上げないことによる5.6兆円の財源は「復興特別法人税復活で0.8兆円、中小企業を除き2011年度の法人税の水準に税率を戻し約2.4兆円、金融所得課税強化で0.5兆円、所得税の税率構造の細分化などで0.6兆円、専守防衛を超える防衛費縮減など歳出見直しで1兆円程度が捻出できるとしている。

 働き方では「長時間労働を規制します。労働基準法を改正し、実効性ある労働時間延長の上限規制、「24時間につき、最低でも連続した11時間の休息時間」を義務化する勤務間インターバル(連続休息時間)規制の導入、裁量労働制の要件の厳格化などに取り組みます。ブラック企業への規制を強化する」としている。

 教育では「高校授業料は私立高校も含め直ちに無償化。外国人学校等にも差別なく適用する。社会の授業を通じ政府の方針を覚え込ませたり、小学校の道徳授業などで過剰に愛国心をあおったりすることは認めない。国旗・国歌の教育現場での強制に反対する」とした。

 また「個人の尊厳、婚姻の自由や両性の本質的平等を改変する自民党改憲草案に反対するとともに、家庭教育支援法案や親子断絶防止法案に反対する」とした。

 人権関係では「一億総監視社会につながる共謀罪法は直ちに廃止。特定秘密保護法や通信傍受法(盗聴法)も即時廃止。通信傍受の対象事件拡大や司法取引の導入は認めない」とした。また地方公務員採用の国籍条項を撤廃し、外国人の地方選挙権を実現するとした。

 エネルギー政策では「原子力事業者には30キロ圏内の自治体との安全協定締結を義務づけ、実効性のある原子力防災計画や避難計画の策定を求める。原発新増設はすべて白紙撤回し、既存原発の再稼働に反対。福島第2原発は直ちに、その他の既存原発は危険性の高いものから順次廃炉作業に着手し、早期の脱原発実現をめざす」とした。

 さきの臨時国会冒頭での解散のため、審議できなかった森友・加計疑惑問題については「政治と行政を私物化した疑惑」とし「徹底究明する」「国民の知る権利の観点で情報公開制度と公文書管理のあり方を見直し、透明で公正な行政をめざす」「国家戦略特区を廃止する」「大学・学部等の設置認可審査においては疑いが生じないよう公正な運営につとめ、審査のプロセスの透明化を図る」とした。

 憲法改正には反対。社民党は「憲法9条の平和主義を守り活かす。教育無償化や参議院の合区解消、緊急事態対応に憲法改正は不要」と改正をしなくても実現できる範疇のものだとしている。(編集担当:森高龍二)