離婚に「NO!」な若者たちの離婚率

2013年02月15日 11:46

EN_0210_27

2年前の震災をきっかけに家族の「絆」が見直されているという話はよく聞くが、実際には今や結婚した夫婦の約35%が離婚している。

 2年前の震災をきっかけに家族の「絆」が見直されているという話はよく聞くが、実際には今や結婚した夫婦の約35%が離婚している。

 多くの女性が専業主婦になっていた高度成長期は10組に1組だった離婚率は 、70年代後半から上昇しはじめた。80年代には5組に1組、90年代後半には3組に1組が離婚するようになっている 。スピード離婚を意味する「成田離婚」や、長年連れ添った夫婦の「熟年離婚」なども話題となった。

 離婚の中でも圧倒的に多いのは若い世代だ。離婚全体のうち6割は「同居期間10年未満」であり 、19歳以下で結婚した女性の実に6割、20~24歳で結婚した女性の4割が離婚している 。この世代の結婚はいわゆる「できちゃった結婚」が主流であり、19歳以下の8割、20~24歳では6割以上が、子どもができたことをきっかけに入籍している(厚生労働省 平成22年度「人口動態統計特殊報告」) 。

 このように離婚率が高い若者の方が、年長世代よりも離婚に対して否定的な考えを持っているのは興味深いところだ。2005年の「国民生活選好度調査」では、15~24歳までの女性は25~49歳の女性と比べて「(離婚は)家庭のきずなが希薄になったことであり、望ましくない」、「子どもが犠牲になる可能性があり、望ましくない」、「いったん結婚したら最後まで努力して添い遂げるべきである」と回答する割合が非常に高くなっている 。

 離婚に対して否定的なイメージをもっていながら、多くの若者が離婚してしまうのはなぜだろうか。「できちゃった結婚」が主流になっている彼らは、当初思い描いていた「いったん結婚したら最後まで努力して添い遂げるべき」という理想と、現実とのギャップを痛感して離婚に至るのかもしれない。

 そんな若者たちよりもむしろ、20代後半以上の女性の方が離婚に対して寛容なのは、人生経験の差というところだろうか。離婚に関するデータには、様々な世相が現れている。