今年4月から9月までの間の緊急発進件数が561回と前年度同期に比べ33回減少した。防衛省陸上幕僚監部が16日までにまとめた。
内訳では中国機が約51%、ロシア機が約48%、その他1%だった。北朝鮮機に対する緊急発進は平成25年度に9回あったが26年度以降は発生していない。
幕僚監部によると、中国機に対する緊急発進回数は287回で、前年度同期に比べて12 0回減少した。特異な飛行として、H-6爆撃機が太平洋を北東進し、紀伊半島沖まで飛行したことを初めて確認したこと、尖閣諸島付近のわが国領海に侵入した中国公船から、小型無人機らしき物体がわが国領空を飛行し領空侵犯したことなどがある。
中国機に対する発進回数が減少する一方、ロシア機に対する緊急発進回数は267回と前年度同期に比べ87回増加した。特異な飛行として13件の事例を公表している。
平成29年度上半期としては推定を含め、中国機の中では戦闘機、ロシア機の中では情報収集機に対して多く緊急発進を実施しました。
緊急発進件数は平成16年度は年間141回だったが、徐々に右肩上がりに発進回数が増え、平成23年度は426回、第2次安倍内閣発足(24年12月26日)から1年目の25年度には前年度より243回増の810回に、翌年度は943回、27年度は70回減少したものの、28年度は1180回と昭和33年以降、初めて1000回を超え、緊急発進回数が増加傾向にある。(編集担当:森高龍二)