リサーチサービス「飲食店.COM」は飲食店の決済手段としてクレジットカード等の導入状況について調査した。クレジットカード導入は70%超、電子マネーは約13%。店側はメリットを認識、利用状況は3割以下が半数超。
飲食店に関するリサーチサービスを行う「飲食店リサーチ」を運営する「飲食店.COM(シンクロ・フード)」は「クレジットカード決済などの対応状況」についてのアンケート調査の結果を公表した。 調査対象は飲食店.COM会員の飲食店経営者で回答数は207件、調査の期間は10月17日から22日まででインターネットを介して実施された。回答者のうち67.6%が1店舗のみの飲食店で、そのうち東京都内の飲食店が55.5%、首都圏の飲食店は73.9%を占める。
調査の結果、クレジットカードの導入は72.9%と7割を超えており一般的に普及していると言える数字であった。一方、電子マネーの導入は約13%.5にとどまり、未だ一般に普及しているとは言えない。店舗で対応している決済手段の内訳を示すと、「クレジットカード」が72.9%、「いずれも対応していない」が27.5%、「銀聯カード」が21.3%、「電子マネー」が13.5%「Apple Pay」が4.8%であった。売上の内、クレジットカードで決済された割合は半数以上の飲食店で30%未満であった。
内訳を見ると、最も多かったのは「10~19%」で23.7%の店舗、次に「30~39%」で19.7%の店舗、「0~9%」が15.8%の店舗、「20~29%」が13.2%の店舗という順位になっている。また、客単価が高い飲食店ほどクレジットカードでの決済の割合が増加する傾向があることがわかった。回答のあった飲食店の客単価については、「2,999円まで」が38.2%、「3,000円から4,999円」が31.4%、「5,000円から9,999円」が23.7%、「10,000円以上」の店舗は6.8%という内訳であった。
クレジットカード導入のメリットに関する自由記述式の回答では、「現在では単価に関係なくクレジットカード決済を希望する顧客が増え、導入しないことで見込み客を逃す可能性が高まった」など「機会損失の削減」を理由に挙げる者が目立った。また「接待や社用需要を取り込める」、「高単価の顧客を引き込める」「団体客は支払額が大きくなるので団体客を引き込める」など「法人・宴席需要の取り込み」「客単価の向上」をメリットとしてあげる者も多かった。さらに「会計時の処理時間が短縮される」、「店も顧客も小銭を準備する手間が省ける」など「会計・決済事務の効率化」をあげるものが多かった。
情報通信システムの発展・普及によりキャッシュレス社会の到来が期待されているが、飲食店分野では未だ十分な対応に至っているとは言えないものの、スローテンポながらもキャッシュレスの方向に変化していることだけは確かである。(編集担当:久保田雄城)