「働き方改革」とは「有休取得」「残業減」、8割が「実感していない」

2017年12月19日 06:45

画・「働き方改革」とは「有休取得」「残業減」、8割か_「実感していない」

日本能率協会が「働き方改革」に関する意識調査の結果を公表。「働き方改革」でイメージすることは「有休取得」、「残業減」。8割超えの者が「働き方改革」を実感していない。理由は「有休取りにくい」「正規/非正規の格差」、「残業減らない」。 

 昨年9月、政府が働き方改革実現会議を設置してから1年以上が経過する。会議の答申を受けて民間企業でも働き方改革への取り組みも活発になってきている。身近にも所属する企業・組織が働き方改革に着手しているという者も増えてきているのが実感だ。政府が示している方針では、働き方改革の3つの柱とは「長時間労働の解消」、「非正規と正社員の格差是正」、「高齢者の就労促進」である。現在、多方面で取り組まれている働き方改革の内容とその実態はどのようなものであるのか。

 12月4日、日本能率協会は全国の正規・非正規の就業者1000人に対して行った働き方改革に関する意識調査「第8回ビジネスパーソン1000人調査(働き方改革編)」を公表した。

 調査結果によれば、「働き方改革と聞いてイメージするものは」という問いに対して、「有給休暇が取りやすくなる」が37.6%、「残業が減る」が36.0%と高くなっている。次いで「育児と仕事が両立できる」28.6%、「女性が職場で活躍する」27.0%と続き、この2つは女性においてそれぞれ31.9%、32.4%と高い割合になっている。

 「働き方改革を実感しているか」という問いに対しては、「とても実感している」が3.4%、「やや実感している」15.9%、「あまり実感していない」41.5%、「まったく実感していない」が39.2%で、「実感していない」の合計は80.7%にものぼる。特に女性では84.6%、非正規では86.3%とほとんどの者が「実感していない」のが現況であると言える。

 「実感しない」理由については、「有給休暇が取りにくい」28.2%、「正規/非正規の格差が減らない」26.6%、「残業が減らない」24.1%で、女性のみの回答では「正規/非正規の格差」が37.7%と飛び抜けて高くなっている。

 「働き方改革に関して今後職場に望むこと」に対しての回答は「有給休暇取得の推奨」が33.0%と最も高く、次いで「長時間労働の是正」26.9%と続く。女性のみの回答では「非正規から正社員への登用」が26.3%と高くなっている。

 この調査結果を受けて日本能率協会の曽根原幹人理事は、「機械的な時短は隠れ残業や休日出勤の温床ともなりかねない」また「有休取得、残業減が働き方改革の実感を左右する要因」と指摘した上で、「不要な仕事をやめてより付加価値の高い仕事へシフトすること」、「人に仕事を当てはめるのではなく仕事に人を当て、仕事に応じた評価や処遇を行うこと」、「時間や場所の制約を極限まで減らす職場環境づくり」などの施策を積極的に行うことが重要であるとコメントしている。(編集担当:久保田雄城)