日本経済団体連合会の榊原定征会長は11日までの記者会見で、次期会長に現在、副会長で、日立製作所会長の中西宏明氏の就任を内定したとした。5月7日の理事会を経て、同月月31日の定時総会で正式に就任する。
榊原会長は中西氏について「2014年から現在まで副会長を務められ、幅広く経団連活動に活躍いただいている。中西会長は、日本を代表する企業の経営者であり、人格識見、卓越した経営手腕、豊富な海外経験に加えて、私とともに未来投資会議の議員を務めるなど政府においても経済界代表として活発な活動を展開されている。Society5.0というこれからの日本社会を牽引するプロジェクトを提案してきた仲間であり、次期会長に最もふさわしいということで私から推薦した」と語った。
また、榊原会長は経団連会長を製造業界からと強調してきたことについて「資源に乏しいわが国は製造業が輸出で稼いだ外貨により、多くの食糧、燃料を輸入している。産業構造は変わりつつあるものの、製造業立国という国のあり方は当面、不動であり、製造業がわが国経済を牽引していくことから、製造業の代表が日本経済をリードしていくべきだと考えている。これが製造業出身者を要件とした理由」と述べた。
また、経団連の提案がほぼそのまま政府の政策に反映され、一方で、経団連が会員企業に自民党への献金を任意とはいえ呼びかける、政治と経団連の関係に批判や懸念が出ていることに関連して、榊原会長は「経団連会長に就任して以来、政治と経済は車の両輪として、連携し、協力し合っていくべきだと訴え続けてきた。安倍晋三総理と経団連会長が『仲が良いから』という言われ方をするが、これは違う」と否定。
榊原会長は「政治と経済界は今、日本経済の再生という課題を共有している。それを果たすために経団連は必要な政策の断行を政府に働きかけており、他方、政治はこの観点から経済界の理解と協力を求めている」と強調した。(編集担当:森高龍二)