日本共産党の志位和夫委員長は25日の衆院本会議代表質問で、森友・加計疑惑を取り上げ、疑惑解明と政府の説明責任を果たす為に「安倍昭恵氏(総理夫人)と加計孝太郎氏(学校法人加計学園理事長)の国会招致とすべての関連資料の公表を強く求める」と要求にこたえるよう、強く求めた。
安倍晋三総理は「森友学園への国有地売却をめぐっては、今後とも、しっかりと説明をしていかなければならないと考えている」と述べたが、昭恵夫人や加計学園への獣医学部設置をめぐる問題に関しての加計氏の国会招致に関しては、答弁で触れることもしなかった。
地中ゴミを理由に大幅引きで森友学園に国有地が売却された不透明な経緯や国家戦略特区制度を利用した獣医学部新設を巡る疑惑については、今国会でも、新たな資料などを踏まえて予算委員会などで明確な説明が政府側に求められている。
この日、志位委員長は「前国会の質疑を通じ疑惑は深まった」と指摘。「森友疑惑では財務省側から森友学園に値引き売却を提案し、口裏合わせを行っていたことを示す音声データの存在を政府も認めざるを得なくなった。総理は、売る側の財務省が値引き売却を提案するのは、あまりに異常だと思わないか」質した。
また「交渉記録は廃棄したと国会答弁しながら、交渉に関連する記録の存在が明らかになった。これは国会を愚弄(ぐろう)するものではないか」と問題視。
志位委員長は、また「加計疑惑では2015年6月の国家戦略特区ワーキンググループの会議に加計関係者が出席し、発言していたことが隠され続け、速記録まで廃棄されていたことが明らかになった」とし「獣医学部新設が決定される1年半も前から加計関係者が政府の会合に出席していた。これは加計ありきとしか言いようがない」と強い疑念を示した。
そのうえで「国政私物化疑惑をこのまま幕引きにするなどは絶対に許されない。安倍昭恵氏と加計孝太郎氏の国会招致、すべての関連文書の公表を強く求める」と要求した。(編集担当:森高龍二)