陸上配備型迎撃システム「イージスアショア」の導入に向けた費用や生産性革命・人づくり革命、災害復旧費用などを盛り込んだ政府の2017年度補正予算(2兆7073億円)が1日、参議院本会議で自民、公明などの賛成多数で可決、成立した。
補正予算案に特に防衛費拡大の視点から反対討論した日本共産党の山添拓議員は「第2次安倍政権発足後、毎年、戦闘機、護衛艦、ミサイルなどの購入経費を補正予算に盛り込むことが常態化している」と指摘。
「これは補正予算の趣旨にも反する」とした。そのうえで「(補正予算のうち)軍事費が2345億円計上され、その8割が兵器調達の歳出化を前倒し、既に発注し、分割払いで、後の負担としていた分の前払いであり、緊急性は認められない」とした。
また「新規の兵器購入も計上され、補正後の総額で2兆3267億円もの新たな後年度負担を生み出そうとしている。高額兵器をアメリカの言い値で爆買いしている。いつまで続けるのか」と防衛装備の拡大を問題視した。
山添議員は「本案には(新型迎撃ミサイルの)SM3ブロック2Aの調達関連経費や2基で2000億円以上とされるイージスアショア導入の調査費が含まれている。18年度予算案では長距離巡航ミサイル導入経費も計上しているが、これは憲法の趣旨から保有できないとしてきた『他国に脅威を与える攻撃型兵器』に他ならない。敵基地攻撃型能力の保有は断じて許されない』と反対した。
一方、自民党の二之湯武史議員は賛成討論に立ち「我が国は今、かつて経験したことのない国難に直面している。国内においては急速な少子高齢化、国外においては北朝鮮の核・ミサイル開発などによる安全保障環境の激化だ」とし「1日も早い成立と着実な実行こそが国民が望んでいることだ」とした。
二之湯議員は「国民の安全・安心を守り抜くための防衛・災害・復興復旧に関する緊急性の高い予算が計上されている」とし「予算ではイージスアショアの速やかな配備など弾道ミサイルへの対応のための経費などが計上されている」と必要性を強調した。(編集担当:森高龍二)