人工知能・ロボット技術の進歩、「期待」約半数、「不安」過半数

2018年02月07日 06:38

画・中小企業の業況に一服感、基調としては「緩やかな改善」傾向

日本能率協会が「ビジネスパーソン1000人調査 (AI・ロボット技術編)」の結果を公表。 AI・ロボット技術の進歩に「期待」が48.1%、「不安」は53.1%。「期待」理由は効率化、「不安」はエラーによる事故・混乱 

 2016年のダボス会議で「第四次産業革命」という言葉が反響を呼び、現在ではIoTや人工知能技術の進歩普及が社会を大きく変えるものとなるという認識が一般の人々まで広まっている。

 人工知能が大きく社会のあり方を変えるものだというものの多くの人はそれが具体的にどのようなものであるかを理解するまでには至っていない。この不透明さが人工知能の普及に関し、人々に期待と不安を持たせることになるのは当然だ。

 日本能率協会は昨年秋、20~69歳までの正規・非正規雇用の就業者1000人をサンプルに「AI・ロボット技術」に関する意識調査を行い、「第8回ビジネスパーソン1000人調査 (AI・ロボット技術編)」として調査結果を公表した。

 調査結果によれば、「人工知能・ロボット技術が進むことに対して期待しているか」という質問に対しては、「とても期待している」が13.3%、「やや期待している」が34.8%で両者を合わせると48.1%となり、ほぼ半数の者が「期待している」と答えている。男女別で内訳をみると、「期待している」と回答した人は、男性で53.0%、女性では42.1%と男性の方が10.9ポイント高くなっている。年代別の内訳をみると、20代、60代で「期待している」が過半数を超えている。

 期待している内容について聞いたところ、仕事面では「効率化が進む」が30.7%で最も高く、次いで「省力化・省人化が進む」28.0%となっている。生活面では、「自動運転により、移動がより安全で便利になる」が37.8%で4割近くに達し、ついで「家事負担が減る」が30.1%、「AIによる診断等、医療が発達する」29.8%などとなっている。

 逆に「不安を感じているか」との問いに対しては、「とても不安に感じる」が10.4%、「やや不安に感じる」42.7%で、合計53.1%の者が「不安と感じている」と回答している。男女別でみると、男性が49.7%、女性では57.3%と7.6ポイント女性の方が「不安を感じている」割合が高い。年代別でみると、30代、40代が過半数を超えており、特に40代では61.7%にのぼっている。

 不安の理由については、「事故や混乱が生じる」が35.7%、「失業者が増え、経済が悪化する」が34.6%、「AI等に仕事を奪われる」27.2%などが多くなっている。

 現在のところ「期待」と「不安」は半々で、期待は「仕事や日常生活の効率化」、不安は「人工知能やロボットのミスやこれらに仕事を奪われる」ことのようである。(編集担当:久保田雄城)