少子高齢化で内需は縮小している。単に若い世代の人口が減少しているだけでなく、結婚や出産などのライフイベントが遅れることで支出の遅れが内需を抑制しているとも考えられる。ライフイベントは消費需要に直結している。結婚や出産は住宅や付随する耐久財への需要を生み出すライフイベントである。晩婚化は社会全体として消費の先送りを意味する。
結婚コンサルタント業のオーネットは、30代、40代、50代、60代の既婚、未婚の男女計336名を対象に「成人時の結婚希望年齢に対する意識調査」を実施し、その結果を公表した。
各世代が20歳の時、希望していた結婚年齢は何歳であったか。調査結果によれば、女性の30~34歳の者では、20~24歳が17.5%、25~29歳が45.0%で、両者を合わせた20代の内が62.5%、30~34歳が2.5%、35~39歳が5.0%で、40歳未満での希望の合計は70.0%となっている。一方、60~64歳の者が20歳の頃希望していた結婚年齢は、20代の内が73.2%であり、全体として希望年齢の晩婚化の傾向が見られる。
男性では30~34歳の者では、20代の内の合計が30.8%で、30代の内が35.9%で、20代の内より30代での結婚希望が多くなっている。60~64歳の者では、20代の内が54.6%で、30代が25%となっており、男性でもやはり晩婚化傾向が見られる。
「希望どおりの年齢で結婚できたか」という問いへの回答は、「希望通りに結婚した」と「思ったより早く結婚した」の両者を合わせると、30~34歳の女性で42.5%であるのに対して、60~64歳の者では63.4%となっており、世代が若くなるほど希望通り、あるいは希望より早く結婚できた者の割合が少なくなっている。男性でも30~34歳の者では35.9%で、60~64歳の者で59.1%となっており、やはり若い世代ほど希望年齢より実際の結婚年齢が高くなっている傾向が見られる。
希望年齢の晩婚化は高学歴化や経済的な事情かも知れない。また、希望の実現率が減少傾向にあるのは社会の中に何か結婚を阻害する要因があると言うことを伺わせる。希望年齢が晩婚化しているというものの、多くの者は30代前半までに結婚したいという希望を持っている。にもかかわらず希望の実現が減少しているのであれば、社会全体の問題として取り組んでいく必要があるのではないか。これは消費需要にも直結する問題で、マクロ経済の問題でもある。(編集担当:久保田雄城)