独身税報道 「独身ハラスメントだ」と反発広がる

2017年09月10日 15:22

画・独身税報道 「独身ハラスメントた_」と反発広か_る

2017年8月29日、石川県かほく市役所にて子育て中のママがまちづくりに参画する『かほく市ママ課プロジェクト』のメンバーと財務省の予算編成担当者の間で意見交換会があった。意見会の様子を2017年8月30日付の北國新聞が報じ、「独身税」というワードをきっかけに、ネット上で大きな反響を呼んでいる。

 石川県かほく市役所で2017年8月29日、子育て中のママがまちづくりに参画する『かほく市ママ課プロジェクト』のメンバーと財務省の予算編成担当者との間で意見交換会が開かれ話題となった。意見交換会の中でプロジェクトのメンバーが「結婚し子を育てると生活水準が下がる。独身者に負担をお願いできないか」と質問を投げかけたところ、予算編成担当者である阿久澤氏は「確かに独身税の議論はあるが、進んでいない」と述べた。

 30日付の北國新聞は意見交換会の様子を報道し、この「独身税」という言葉がネット上で「独身者ハラスメントである」「結婚という個人の選択を納税基準にするのは迫害行為ではないか」と大きな波紋を呼んだ。

 「独身税」とは読んで字のごとく、「独身者に課される税金」のことを指す。既にブルガリアでは少子化による労働力不足が危惧された背景から、この「独身税」が1968年~89年の間実施されている。具体的な内容として独身者の収入の5~10%を税収として納めるというものであったが、大きな成果は得られず89年に廃止となっている。また、87年1月14日付の朝日新聞によれば、旧ソ連においても独身税が取り入れられており、子どもがいない夫婦や独身男性を対象に収入の6%を税収として納めるという、「子なし税」また「独身税」制度が実施されていたという。

 昨今では、経済的背景から結婚を断念せざるを得ないケースも実際問題ある。また、人間同士の結びつきも希薄化している。そういう中で独身者が「結婚」に対してのイメージがわかないということも無理はないはずだ。

 確かに、「少子高齢化」というテーマは日本にとって重要な課題であり、国を維持するための労働力は必要不可欠である。だからこそ、結婚をしやすい環境の整備が後にも先にも必要だ。結婚は単なるものではなくお互いの「愛情」が介在してこそ、初めて成り立つものである。税制を導入して無理に強いるものではないだろう。(編集担当:久保田雄城)