2040年に一人暮らし世帯が全体の4割に

2018年01月23日 06:19

画・2040年に一人暮らし世帯か_全体の4割に

高齢者の単身世帯が増加傾向にあるが、これが2040年には全体のおよそ4割が該当するといわれている。未婚・晩婚化がその要因であり、少子高齢化の進行という点でも大きく影響している。

 少子高齢化は、今の日本における最重要課題といっても過言ではない。この問題には様々な側面があるが、このほど厚生労働省の調べで一人暮らしの高齢者世帯が今後急増するという見通しが明らかになった。現在日本の人口が減少傾向にあることは多くの人が知るところだが、それに伴い世帯数も同時に減少しており、2023年に5419万世帯とピークを迎えた後、2040年には5076万世帯まで減少するという。世帯数は減少するが、その反面増加するのが、一人暮らしという世帯であり、2040年には全体のおよそ4割がそれに該当するという。

 一人暮らしの世帯が増えるということはともかく、この問題における本質が一人で暮らす生活を強いられる人のほとんどが高齢者であるという点にある。2040年には、団塊ジュニアと呼ばれる世代が65歳以上の高齢者となり、そのうちおよそ半数が一度も結婚をしたことがないという単身世帯となる。少子高齢化がこの問題の背景にあることは言うまでもないが、その要因となっているのが未婚・晩婚化である。個人のライフスタイルが多様化し、結婚するかどうかについても自由度が高まったことがその理由だ。
 
 そのことを示すデータもある。50歳までに一度も結婚をしたことがないという生涯未婚率は、1975年の調査では男性が2.1%、女性が4.3%という数値だったが、2015年の調査では男性23.4%、女性14.1%と上昇している。40年間で結婚をしないという選択をすることが当たり前になりつつあるといえるだろう。かつては結婚をして家庭を持つということがひとつのステイタスだった時代から、現在は結婚しなくてもステイタスを得られるようになったということかもしれない。時代の流れといえばそれまでだが、少子高齢化に歯止めをかけるという意味で考えると結婚しないという選択肢はできれば避けたいところである。結婚しなければ子供が増えることもないからだ。

 高齢者の単身世帯が増えるということの問題には様々なものがある。たとえば社会性の欠落による認知症患者の増加や孤独死などだ。一人暮らしをするということそのものには特に問題はないと思われがちだが、高齢者が一人で住む人が増えるという日本の将来は、果たして先進国と呼べるのかどうか。そして、最も問題なのはこうした将来に対して政府を含めて何ら有効な手立てが見いだせていないという点にある。社会保障制度を含めた総合的な議論と改革が求められている。(編集担当:久保田雄城)