学校教育への政治介入が危惧される状況が続いている。NHKが15日夜のニュースで、文部科学省が愛知県の公立中学の個別授業に関与していたことを報じた。報道では「国が学校に授業の内容を問いただす異例の事態」とした。
それによると「愛知県の公立中学校が文部科学省の前川喜平前事務次官を先月、授業の講師に呼んだところ、文部科学省から教育委員会を通じて授業の内容や録音の提出を求められた」「いじめなどの問題を除き、国が学校の個別の授業内容を調査することは原則、認められておらず、今後、議論を呼びそう」と提起した。
内容を問い質すメールは文部科学省の課長補佐から教育委員会宛てに届いたといい「録音があれば提供することなど15項目について文書で回答するよう求めている」としている。
この問いに録音提出こそ拒んだものの、問いには答えた旨も伝えている。なぜ、こうした、政治介入とも受け取れる行為が課長補佐から行われたのか、事実関係や正当性、目的など、指揮系統含め、国会で明らかにすることが求められる。
教育への政治介入は戦前の行き過ぎた愛国主義教育の反省から規制されている。ところが安倍政権になって文科大臣が幼小中高での卒業式や入学式での国歌斉唱に関する要請のみでなく、大学にまで求めたほか、厚労大臣も保育園に要請。さらに小中学校での道徳教育の教科化、高校での指導職員配置への動きなど、教育への政治介入につながりかねない動きが強くなっている。
日本共産党の志位和夫委員長は「教育基本法で『教育は不当な支配に服することなく』とあるのは、戦前の軍国主義教育が子どもたちを戦場に駆り立てた反省からだ。日本国憲法を蹂躙する愚行をただちにやめよ!!」とツイッターで愚かな行為をやめよと発信した。(編集担当:森高龍二)