日本経済団体連合会は「持続可能な全世代型社会保障制度の確立に向けて」意見をまとめ、15日発表した。現在75歳以上の人は現役並み所得者でない限り、医療費の窓口負担は「1割」だが、提言では低所得者に配慮したうえで「原則2割にすべき」としている。
意見では「団塊世代が75歳以上となり始める2022年以降、医療・介護費の更なる増加が見込まれ、国家財政のみならず保険料を拠出する国民、企業にとっても大きな負担となり、持続的な経済成長の基盤を損なうことにつながりかねない」としている。
これを踏まえて「制度の持続性確保に向けた取り組みを急ぐとともに、社会保険料負担の伸びの抑制を図ることが不可決」と提起。そのうえで「特に高齢者層に相対的に手厚い給付のあり方を見直し、不均衡を是正していく必要があり、痛みを伴う改革に向けて、聖域なく速やかに取り組むこと」を提言した。
特に今年度中に結論を得るべき事項では後期高齢者の窓口負担に対し「75歳以上の自己負担割合を低所得者層に留意しつつ、原則2割とすべき(現役並み所得者は3割を維持)」また「高額療養費制度での外来時の特例的な月額負担の上限額(70歳以上のみを対象)について、廃止に向けて検討すべき」としている。
また医療での「かかりつけ医の普及」をはかるなどとし、これを後押しする方策を早急に検討することや「かかりつけ医以外の外来受診時の定額負担の検討」も求めた。
子ども子育てでは2019年度予算編成では「幼児教育・保育の無償化については消費税率10%への引き上げによる財源の範囲内でバラマキを避け、真に必要な対応をすべき」としているほか「児童手当については特例給付を速やかに廃止し、これにより得られた財源は放課後児童対策等の拡充に充当すべき」としている。(編集担当:森高龍二)