トヨタ、新型クラウンの発表直前、ディーラーでは密かに予約受注開始

2018年06月10日 08:48

New_Toyota_Crown

2017年10月、東京モーターショーのいちばん高いステージで展示された「新型クラウン」コンセプト、「RS」のエンブレムが付いていた

 トヨタ・クラウンが新型に生まれ変わる。15代目となるオールニュー・モデルの登場である。昨年の東京モーターショーで紹介され、新型モデルは、すでに5月から全国のトヨタ・ディーラーで得意客向けに予約受付を開始している。正式発売は、噂によれば6月26日だという。

 昨年の東京モーターショーでプロトタイプがお披露目され、発売前から「ティーザーキャンペーンを展開」している新型クラウンの価格は、2リッター「ターボB」の460.62万円から3.5リッターハイブリッドの最上級グレード「3.5 Gエクスクルーシブ」の718.74万円。先代14代目に存在した300万円クラスの廉価版が姿を消して、全般的に値上げのように思える価格帯となった。

 が、これには理由がある。先代の300万円バージョンは、カーナビ&オーディオレス・モデルだったが、新型は全車にナビ&オーディオが標準装備となり価格がボトムアップ、しかも従来あった上級モデルのショーファーカーたるマジェスタが廃止となり、代わって「クラウン・3.5 Gエクスクルーシブ」が登場、これに一本化され、700万円台のグレードとなったからだ。

 新型のボディサイズは全長×全幅×全高4910×1800×1455mm、先代に比べて15mm長いだけでほぼ同等のサイズ。なかでも全幅を1800mmに抑えたことを高く評価したい。国内の狭隘な道路インフラには、この辺りの全幅が限界で、そこに対応した寸法を維持したと想われる。しかし、ホイールベースは70mmも延長され2920mmとなった。ホイールベースの拡大は、明らかに後席居住性のアップにつながってくる。

 スタイリングは歴代クラウンにはなかったリアクォーターウインドウを持った6ライト。リアウインドウが強く傾斜したファストバック・クーペを彷彿させる若々しいデザインとなった。

 ボディ構造はレクサスLSなどと共通の新開発FR用TNGAプラットフォームを採用。この基本骨格の採用でエンジン搭載位置を低く設定したため、車両重心高は15mm低くなったという。

 搭載するパワーユニットは3種。最上級モデルに搭載する299ps/36.3kg.mの出力・トルクを発揮する3.5リッターV6エンジンに180ps/30.6kg.mのモーターを組み合わせる、システム総合出力が359psのレクサスLSなどと同じマルチステージハイブリッドシステム。このユニットはハイブリッドシステムに4速ATを組み合わせ、子気味よいレスポンスが魅力だ。

 次が2.5リッター4気筒+モーターのTHSⅡ、システム総合出力226psで、電気式CVTを組み合わせる。

 そして、2リッター4気筒ターボの245ps/35.7kg.m、8速ATを組み合わせたバージョンだ。

 それぞれのパワーユニット搭載車に「RS」という名のスポーツグレードを展開するのが新型の特徴で、従来のアスリートを継承するグレードだ。全般に若々しくスポーティに変化した新型クラウンのなかでもリアスポイラーや18インチホイール装着などで異彩を放つ。

 サスペンションも刷新された。前後サスペンションはマルチリンク式となり、前後ともにアルミアームとし軽量化を図り、アッパーアームにダブルジョイントをつかうという凝った構造とした。若々しくスポーティに変身した新型クラウン、間もなく正式発売となる。(編集担当:吉田恒)