人生100年の時代と言われている。かつては還暦、つまり年齢60歳になれば職場も定年退職、社会活動からリタイヤし、後は余生を楽しむという年齢であった。しかし、どうやら人々の還暦に関する意識に変化が生じているようだ。
PGF生命が今年還暦を迎える1958年生まれの男女(有効標本2000人)を対象に「2018年の還暦人(かんれきびと)に関する調査」をインターネット経由で実施し、その集計結果を公表した。還暦の実感について尋ねた結果、「還暦を迎えるという実感がわかない」という感覚について「あてはまる」と回答した者の割合は72.7%であった。7割強の者が還暦を迎えるという実感がわかずにいるようだ。男女別に「あてはまる」の割合をみると、男性が70.1%に対し女性は75.7%と女性のほうが5.6ポイント高くなっており、女性のほうが還暦を実感していない者が多いという結果となった。
今年還暦になる自身の主観的な精神年齢について尋ねたところ、「50~54歳相当」が28.2%と最も多く、「40~44歳相当」が16.8%、「55~59歳相当」が14.1%などとなっており、回答者全体での平均年齢は45.6歳であった。肉体年齢についても同様の質問を行った結果、「50~54歳相当」が31.0%と最も多く、回答の平均年齢は54.5歳となった。回答者の実年齢の平均は59.3歳であるから、これと比較すると、精神年齢の平均では実年齢より13.7歳若く、肉体年齢の平均は4.8歳若いということになり、精神的な若々しさをより感じている者が多いということがうかがえる。
「何歳まで働きたいか」という質問に対しては、「60歳まで」は12.8%と少数派で、「65~69歳まで」が39.5%、「70~74歳まで」が25.8%などに回答が集まり、60歳以降も働きたいと思う者の合計は87.2%となり、平均は67.6歳で60歳以降も現役志向であることがうかがえる。
現段階での貯蓄金額を聞いたところ、「100万円未満」が20.6%で最も多く、「100~300万円未満」が11.5%、「500~1,000万円未満」13.3%などが多く、「3,000~5,000万円未満」は9.8%、「5,000万円~1億円未満」が8.8%、「1億円以上」は6.4%などとなっており、平均貯蓄額は2725万円であった。
今年還暦を迎える1958年生まれはバブル時代に30代前半であった世代で、この為か60歳以降も仕事や目標に前向きな姿が調査結果からもうかがえる。(編集担当:久保田雄城)