トヨタ・カローラが正式に新型に生まれ変わった。発売となったのは第一弾としてリリースとなった「カローラ・スポーツ」と呼ぶ5ドアハッチバック車だ。
カローラといえば、言わずと知れた日本の大衆車だ。初代がデビューしたのは1966年、時代は戦後の動乱期を乗り越えたモータリーゼーションが本格化しはじめる昭和41年の高度成長期だった。その頃トヨタ車ラインアップは、高級車クラウン、ファミリーカーのコロナ、そしてエントリーモデルのパブリカしか無く、新型カローラは、そのパブリカとコロナの間を埋めるべく登場したモデルだった。そしてその後、年号は昭和から平成になり、来年には新しい年号となる。それほど長い間、日本を代表する大衆車として君臨してきた日本を代表するクルマなのだ。
いまではカローラは、日本の国民車に留まらない。世界の16拠点で生産され、世界152以上の国と地域で販売されている。世界販売台数は累計4600万台。「10秒に1台が地球上のどこかでユーザーに届けられているクルマ」だという。
そんな世界の大衆車カローラが、デビュー52年目を迎え、12代目モデルとなる新型で、がらりと宗旨替えとなった。「大衆車で凡庸、そしてチープで地味」というイメージの完全払拭を狙ったモデルチェンジを実施したのだ。
トヨタによると、「新型カローラ・スポーツ」は、その名のとおりスポーティな「デザイン」にこだわり、「走り」においても、5大陸、延べ100万キロの走行試験を実施、グローバルカーとしてあらゆる環境下で「走る喜び」を感じてもらえるクルマに仕上げたという。
ハッチバック車で新型カローラが登場したが、今後はセダンやステーションワゴンにラインアップを拡げてゆくのは明らかだ。セダンなどには別途1.5リッター程度のガソリンエンジン車も加わりそうだ。今回登場したカローラ・スポーツは、事実上「オーリス」を受け継ぐモデルとなろう。
搭載するパワーユニットは2タイプだ。1.8リッターエンジン+モーターのハイブリット(THS-Ⅱ)と1.2リッターターボエンジン。ハイブリッドはプリウスやCH-Rに搭載されている最量産ハイブリッド。それに、スマートサイジングターボが加わるのだ。1.2リッターターボには、FFだけでなく4WDもラインアップする。
また、ターボ車には、インテリジェント・マニュアルトランスミッション(iMT)搭載車の発売を予定しており、8月発売だとしている。このギアボックスは、変速時に自動で回転合わせなどを行ない、あたかもヒール・アンド・トゥをしているようなスムーズな変速と、エンスト防止装置が備わっているという。
なお、実験的な施策と思われるが、コネクティッドサービスをすべてのユーザーに体感してもらうため、車載通信機DCMを全車に標準搭載し、T-Connectサービスを3年間無料で提供する。このサービスについての詳細は項を改める。
新型カローラ・スポーツの価格は、ハイブリッド車が241.92万円?268.92万円。ターボ車が213.84万円から261.36万円。(編集担当:吉田恒)