21年ぶりに新型にスイッチ、3代目に生まれ変わったトヨタ・センチュリー

2018年06月25日 06:39

Toyota_Century

新規開発色のエターナルブラック「神威(かむい)」に塗られた新型。漆黒感を高める黒染料入りのカラークリアなど7層もの塗装に、研ぎと磨きを加えて奥深い艶と輝きを追求した

 トヨタは、最高級ショーファーカー、「センチュリー」を21年ぶりにフルモデルチェンジした。3代目センチュリーの誕生である。初代センチュリーは1967年、トヨタグループの創始者である豊田佐吉氏の生誕100年を記念して発売したモデルだった。以来、50年にわたり、日本を代表するショーファーカーとして、日本を牽引する政財界のエグゼクティブを乗せて日本を走ってきたクルマだ。

 21年ぶりのフルモデルチェンジのテーマは、「継承と進化」とした。「匠の技」と「高品質のモノづくり」を継承しつつ、パワーユニットのハイブリッド化による高い環境性能と、最上級ショーファーカーにふさわしい先進・快適装備を備え、乗り心地、静粛性、走行安定性を大幅に引き上げたという。

 堂々たる体躯のサイズは全長×全幅×全高5335×1930×1505mm、ホイールベース3090mm。65mm延長したホイールベースを後席スペースの拡大に充て、乗員の膝まわりや足元に十分なゆとり得た。加えて、後席のスカッフプレートとフロアの段差を従来型より15mm縮小することにより、フロアマット装着時にはフラットとなり、これまで以上に乗降性がアップした。

 搭載するパワーユニットは5リッターV型8気筒+モーターのハイブリッドシステム。システム総合出力は317kW(431ps)という。ショーファーカーに求められるスムーズで余裕に満ちた走りと、高い環境性能を両立した。JC08モード走行燃費は13.6km/リッターだ。先代が搭載した国産唯一のV型12気筒エンジンは、センチュリー以外のモデルに搭載されることはなく、その役目を終えた。

 安全性能も高い。「Toyota Safety Sense」を搭載し、隣車線の死角を走る車両を検知する「ブラインドスポットモニター」、周辺状況を検知して駐車支援する「パーキングサポートアラート」を採用した。

 また、ショーファーカーらしく、ヘルプネット(エアバッグ連動付)を新たに採用し、事故や急病時には専門のオペレーターが警察や消防に取り次ぐほか、エアバッグ作動時には自動でオペレーターに接続する。また、車両データを基に重症度を推定して、ドクターヘリなどの早期出動判断を行なう、認定NPO法人“救急ヘリ病院ネットワーク”の「D-Call Net」にも対応している。後席VIPを守り抜くための先進装備といえる。

 オプションを含まない新型の消費税込みの価格は1960万円だ。レクサスを含むトヨタ車ラインアップでもっとも高価なクルマである。(編集担当:吉田恒)