米韓軍事演習中止は外交官の北との交渉を後押し

2018年07月01日 10:45

 米国・マティス国防長官は29日、小野寺五典防衛大臣との会談後に、共同記者会見し、米韓合同軍事演習を中止することになったのは米朝首脳会談での合意の実効へ米国外交官の交渉を後押しするためである旨を語った。

マティス長官は「米韓の共同軍事演習の一時停止の決定は、私どもの外交官が力強く交渉し、朝鮮半島において平和的な解決をもたらすための展望を高めるために下された決定」と述べた。

また「私どもは非常に強固な、しかも連携のとれた防衛の立場を維持し続ける」と述べ「それにより、私どもの外交官たちが非常に強い力に裏打ちされた立場から交渉できるようになる。私どもの目標は北朝鮮の完全かつ、不可逆的で、検証可能な核プログラム及び弾道ミサイルプログラムの解体にある」と明言した。

 防衛省は日米防衛相会談で北朝鮮問題に関し「国連安保理決議に従い、北朝鮮による生物及び化学兵器を含む全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルの完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な方法での廃棄を実現するため、日米が国際社会と連携して取り組むことで一致した」と発表した。

 また「在韓米軍の撤退・縮小は検討されていないこと、在韓米軍を含む地域における米軍の抑止力の重要性を再確認した」。合わせて、尖閣諸島について「日米安全保障条約第5条の適用範囲であること、同諸島に対する日本の施政を損なおうとするいかなる一方的な行動にも反対することを改めて確認した」とした。(編集担当:森高龍二)