自動車検査登録情報協会の調査によれば、2017年3月末時点での軽自動車を除く乗用車の平均車齢は8.53年で過去最高齢を記録した。国内の平均車齢は23年連続で過去最高を更新しており、国内新車販売の減少傾向が続いていることが明らかになった格好だ。
平均車齢の延びは国産車の性能の向上や壊れにくさ、またそれに伴う価格の上昇を反映したものと言える。消費者としては高性能で壊れにくい車を長期間載り続けられるようになったため、新車を購入する必要性を感じなくなってきている。さらに景気回復の実感をなかなか得られない中、購買意欲の減退も平均車齢の延びに拍車をかけている。それは平均車齢と共に延び続ける平均使用年数からも明らかだ。16年3月末時点での平均使用年数は12.76年で、06年の同時期の平均使用年数を1.66年も延びている。同じ車を大切に乗りたいというのが消費者の願いとなっているのだ。
その一方でレンタカー業界では異なる傾向が見られている。レンタカー会社によっては2、3年のサイクルで車両を新車と入れ替えている。特に国内車両メーカー傘下にあるレンタカー会社の場合、自社の新車を消費者に試乗してもらうという意図もある。加えてレンタカーは一般の乗用車と比べて走行距離が伸びやすく、しかも外装も劣化しやすい。そのため数年という短い期間で新モデルと入れ替わり、中古車市場に放出されることになる。
中古車市場としては、比較的年式の新しい中古車がレンタカー業界から流れてくることもありここ数年は需要が伸びてきている。消費者としても低価格で年式の新しい中古車を購入できるというメリットがあるのだ。加えて近年ではカーシェアによって車を所有せずに使用するというスタイルも都市部を中心に浸透しつつある。こうした理由もあって平均車齢はさらに今後も伸び続け、平均使用年数も延びていくことが予想される。車両メーカー・自動車販売店も新車販売の低迷を受け車検やアフターサービスなどの収益源の確保に躍起だ。日本の主要産業の一つである自家用車販売の在り方が今問われている。(編集担当:久保田雄城)