ホワイト企業アワードは、次世代に残すべき企業、残る企業の特徴として、「適正な利益・成長」「お客様からの信頼」「従業員満足度」の3要素のバランスが大事であることを、ホワイト企業(次世代企業)の概念として普及させることを目的に同財団が活動しているものだ
財団法人日本次世代企業普及機構が主催する「ホワイト企業アワード」。第3回となる今年の応募総数は877社。その中から、書類審査などを経て、各部門において27社の受賞企業が発表された。
ホワイト企業アワードは、次世代に残すべき企業、残る企業の特徴として、「適正な利益・成長」「お客様からの信頼」「従業員満足度」の3要素のバランスが大事であることを、ホワイト企業(次世代企業)の概念として普及させることを目的に同財団が活動しているものだ。この手の表彰制度は得てして、大手企業に有利であったり、箔付け的なものが多い中、同アワードは純粋に、全国の「素晴らしい会社」を称賛・表彰するために行われてるもので、企業規模などは一切選考基準にされておらず、中堅や中小企業も多数選出されているのが興味深い。
同アワードは、自社の果たすべき役割、目的等を定義、事業計画として周知する取り組みを評する「理念共有部門」や、顧客満足・効率化を前提とした、仕事を分担・形式知化を評する「ワークシェアリング部門」、労働生産性の向上に寄与する、ユニークで機能的なオフィス環境を評する「オフィス環境部門」など、細かく11の部門に分かれて表彰されており、「ホワイト企業」と一口にいっても、様々な側面があることが分かりやすく、より良い職場環境の構築を目指す企業にとっては、参考になるとともに、一つの指針にもなるのではないだろうか。
受賞企業の中でも、さらに特筆に値する企業が数社ある。
例えば、今回、ワークシェアリング部門と、ITを活用した場所、時間にとらわれない柔軟な働き方及び顧客対応を評する「テレワーク部門」を同時受賞した、企画制作・コンサルティング会社のブレーンセンターや、オフィス環境部門と、心身の健康を積極的にサポートする取り組みを評する「EAP部門」を同時受賞した、ソーラーパネル取付金具などを扱う株サカタ製作所、さらにはEAP部門とLGBTに対する理解、先進的な取り組みによる就業環境の整備を評する「LGBTフレンドリー部門」を同時受賞したライフネット生命保険などだ。同時受賞している部門を照合してみると、その企業の社員に対する姿勢や考え方がよくわかるのが面白い。
また、オフィス環境部門で受賞した、木造注文住宅メーカーのアキュラホームのように3年連続で受賞している企業もある。ホワイト企業アワード事務局によると「中大規模造健築によるオフィスは住環境を提供する企業の特徴を生かした就労環境を提供しており、同時に地域貢献の拠点としても機能していること」が評価されたのが同社の今回の受賞理由だという。
ちなみにアキュラホームは、第1回のCSR部門賞・女性活躍部門賞をダブル受賞したほか、第2回ではホワイト制度部門大賞を受賞している。
昨今のメディアでは、不況を煽るかのようにブラック企業の話題ばかりが取り上げられるが、本来はこういう企業努力を行っているホワイト企業をこそ取り上げるべきではないだろうか。日本の企業総数は約400万社。第1回の応募企業は142社。第3回となる今回は応募した877社と増えてきている。この表彰制度がもっと一般的に周知され、それが企業のステータスとなり、受賞を目指して応募する企業が増えれば、日本はもっと住みよく、働きやすい国になるのではないだろうか。(編集担当:石井絢子)