党利党略「6増案」自民11日にも採決強行か

2018年07月11日 08:06

 参議院選挙の一票の格差是正を図る公職選挙法改正案で、自民党が数の力で党利党略の「6増」案を11日にも参院特別委で採決し、本会議を通し、衆議院へ送付するまで強行する可能性がでている。

 このまま強行すれば民主主義の根幹をなす選挙制度が党利党略で変えられる危険極まりない暴挙で、選挙制度改革の歴史に汚点を残すことになりそう。合意形成の努力が強く求められている。

 自民は10日の参院政治倫理確立・選挙制度特別委員会で採決の意向だったが、さすがに日本維新の会が石井浩郎委員長(自民)の議事進行に怒り、問責決議案を提出したため、採決を見送った。問責決議案を本会議で採決するかどうかは参院議運の理事会で11日に協議する。

 自民案は来年夏の参院選挙に間に合うよう合区で選挙区から出られない党候補者を救済する目的の提案であることが見え見え。国民からは「議席を増やすなど身を切る改革に逆行するもので認められない」「まったくの党利党略」と批判の声が出ている。JNN世論調査でも自民案に賛成は15%、反対は69%にのぼり、法案の今国会での成立に反対の回答は70%に上ったとTBSが報じた。

 国民民主党の榛葉賀津也参院幹事長は10日の記者会見で「国会議員の身分や選挙制度の問題の採決を強行したりするようでは恥ずかしい」と強くけん制した。(編集担当:森高龍二)